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美耶子の言い分 美耶子のK9研究 前澤猛句集
 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書
535号 2023/8/27

暑いですね、などと言ってみても始まらないですよね。むささびが小さかったころ、わが家には障子というものがあり、それを使って影絵をやって遊んでいました。だから何?と言われても困るのですが。

目次
1)スライドショー:当たり前の景色の中に
2)再掲載:ラウンダバウトとフェアプレイ精神
3)再掲載:迷い犬とお役所仕事
4)戦争のコスト
5)どうでも英和辞書
6)むささびの鳴き声
7)俳句

1)スライドショー: 当たり前の景色の中に

Facebookの中に写真グループとして No Ordinary Eyes というのがあります。主に昔の写真を掲載しているのですが、町や自然の風景、人間のポートレート、日常生活などをカバーしているようです。写っている被写体自体は「ごく普通」なのですが、これに眼を付けることは「ごく普通」ではなかなか思いつかない。はるか昔ヒットした Family of Man を想わせる。いくつか紹介します。

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2)再掲載:ラウンダバウトとフェアプレイ精神

英国におけるクルマ生活では当たり前の光景ではあるけれど、日本では殆ど見られないものの一つに「ラウンダバウト」(roundabout)があります。上の図のようなもので、要するに交差点に信号をつけて交通規制する代わりに、交差点そのものを回廊のようにして、ドライバーは自分の出たい出口を出ることで、結果的に交差点を通過したのと同じことになるという仕掛けであります。日本でいうと「ロータリー」というのがこれに近いかもしれない。
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信号を使わない十字路?

むささびジャーナル278号(2013年10月20日)
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ラウンダバウトにさしかかったら右側から来るクルマに注意する。右方面から来るクルマに絶対的な優先権があるので、それをやり過ごし、自分の番がきたら回廊の中に入る。上の図(五叉路)の場合、最初の出口を出るということは、普通の交差点でいう「左折」、二番目が「直進」、三番目が「やや右折」、四番目が「右折」ということになる。どの出口を出るにせよ、ラウンダバウトを出るときは常に「左折」であり、回廊の中には信号の類はない、というより必要がない。ラウンダバウト自体が常に時計回りで終わりのない一方通行だからです。対向車がない。

英国で最初のラウンダバウトは、1909年にロンドン郊外のLetchworth Garden Cityという町に出来たものだとされているのですが、英国全体でどのくらいの数のラウンダバウトがあるのかはネットを調べても出ていませんでした。どなかたご存じの方は教えてください。ただ2013年10月5日付のThe Economistによると、現在世界中にあるラウンダバウトの数はおよそ6万か所だそうです。1997年当時は3~4万か所だったのだから、ここ10数年でほぼ倍増ということになる。全体の半数がフランスにあるのだそうですね。アメリカでも10年前までは数百か所だったのが、今では3000か所にまで増えている。


信号式の十字路で信号が赤の場合、他のクルマが一切来ないと分かっていても一応信号が青になるまで停止していなければならないけれど、ラウンダバウトだとそのような「無駄」はない。右方向を見て、クルマが来ない(もしくは来ていてもはるか向こうである)場合は運転手の自己判断で入ることができる。信号式十字路の信仰者からすると、「運転手の自己判断なんてとんでもない」ということになる。しかし米国運輸省によると、信号式十字路をラウンダバウトに変えたところ、車同士の衝突事故が35%、傷害事故が76%、死亡事故が90%も減ったという数字が出ている。

The Economistは、運転手の自己判断が幅を利かせる世界では「協力が対立に勝利する」(triumph of co-operation over confrontation)ようになるのだと言っている。運転手同士の譲り合いが生まれるのだということです。但し…
  • ラウンダバウトがうまく稼働するためには、ドライバーが「英国流の美徳」であるフェアプレイの精神を守り、それなりのルールを順守する必要がある。残念ながら必ずしもそういう場合だけではない。Yet roundabouts tend to work only when motorists observe the British virtues of fair play and stick to the rules. Alas, this is not always the case.
というわけ。譲り合いの精神が発揮されないとラウンダバウトは渋滞の原因にもなる。その例としてケニアの首都、ナイロビにあるラウンダバウト(4か所ある)がある。とにかくしょっちゅう渋滞なので交通整理の警官が出動したりしており、雨が降ると警官が持ち場を離れて雨宿りしたりするから余計に渋滞がひどくなるらしい。The Economistによると、いわゆる発展途上国では交通量が多い大都会のど真ん中にラウンダバウトが作られたりすることがあり、運転手同士のケンカが起こったりするし、通行人にとっては信号式交差点よりも危険な場合が多いのだそうです。

 
イングランドの工業都市・Swindonにある "Magic Roundabout"。5つのRoundaboutを連結させてさらに大きなラウンダバウトを形作っている。

ラウンダバウトを作るには当然のことながら、それなりの面積の土地が必要であるし工事費もかかるのですが、信号式交差点の場合、信号機の維持費と電気代で(アメリカでは)一か所年間10万ドルかかるところもあるのだそうです。場所によってはラウンダバウトの方が安上がりということもあるかもしれない。

上の写真は、南東イングランドにあるSwindonという町の近くにあるラウンダバウトの標識看板です。「マジックラウンダバウト」と呼ばれているのですが、5つの小さなラウンダバウトが円形に繋がって大きなラウンダバウトになっている。看板を見るだけで車酔いしそうです。どうせ出口が5つであることに変わりはないのだから、大きなもの一つでいいのでは?何が面白くてこんなもの作ったんですかね。

ちなみに(ラウンダバウトの有無とは直接関係はないけれど)英国は国際的に比較しても交通事故による死者数が非常に少ない国なのですね。WHO(世界保健機構)によると、人口10万人、クルマ10万台あたりの交通事故死者数は次のようになっている。いずれも2010年の数字です。

交通事故死者数:2010年


世界保健機構調べ


長野県飯田市
▼知らなかったのですが、日本にもたった一か所ですがラウンダバウトがあるのですね。長野県飯田市が今年(2013年)3月に完成させた東和町交差点(写真左)がそれです。飯田市ではもう一か所作る計画らしいですね。このラウンダバウトのことを伝える読売新聞が、ラウンダバウトの「不安材料」について次のように書いています。
  • 従来の交差点では、止まるか進むかの判断は信号機任せで良かったが、ラウンダバウトになれば、交通法規に従ってドライバーが判断しなければならない。
▼そうなんですよ、ラウンダバウトは自己判断が幅を利かせる世界のハナシであり、それを嫌がるということは「警察任せ」の方を好むという意味でもあるわけですよね。ネットを見ていたら警察庁の数字として、日本国内の交通信号の数が20万基(2008年)と出ていました。英国の場合は2011年現在で2万5000基です。何を基準に比較すればいいのか分からないので、判断はできないけれど、日本の信号の多さ加減は半端ではないと思いません?警察が大きな顔をしすぎているということです。せめて田んぼの真ん中みたいなところは、この際ラウンダバウトにした方がいいんでないかい!?

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3)再掲載:迷い犬とお役所仕事

世界保健機構(World Health Organization)の調査によると、現在世界中にいる「迷い犬:stray dogs」の数はざっと2億頭なのだそうですね。ネット情報によると、日本で殺処分される犬は年間約8000頭だそうです。むささびはワンちゃん2匹と暮らしています。クルマで埼玉県の山奥まで連れて行って遊ぶのですが、いわゆる「捨て犬」というのは見たことがない(と思う)。おそらくむささびが暮らしているのが田舎だからなのでしょうね。

迷い犬とお役所仕事

むささびジャーナル173号(2009年10月11日)

Dogs Trustというイヌの愛護団体が最近発表した数字によると、英国における迷い犬(stray dogs)が劇的に増えている(huge jump)のだそうです。Dogs Trustによると迷い犬の数は、記録を取り始めた1997年に比べると25%も減っていたのですが、昨年(2008年)4月から今年3月までに107,228頭の迷い犬が地方自治体によって収容された。これは11%の増加だそうです。


迷い犬が増加する理由は二つ考えられる。ひとつは不況で飼い主がイヌを捨てるケースが増えたことですが、もう一つの理由としてDogs Trustが言及しているのが、昨年4月に実施された迷い犬に関する法律の変更だそうです。法改正以前は、迷い犬や捨て犬は夜間・週末は警察が、それ以外は地方自治体が保護する責任を負っていたのが、改正後はすべて地方自治体の責任ということになった。

中央政府の環境・食糧・地方問題省(Department for Environment, Food and Rural Affairs:DEFRA)では、迷い犬保護サービスの一元化は、地方自治体と警察からの要請で行われたものであり、改正にあたっては愛護団体の意見を十分に聞いたはずだと言っている。さらに地方自治体への管理権限移管にあたっては、それなりの予算付けも行ったとしている。

これに対してDogs Trustを始めとする愛護団体では、予算も人員も十分とは言い難いし、地方自治体の責任に関するガイダンスの文言にも曖昧な部分がある、と言っている。例えば次のような文言です。
  • 自治体は、現実的に実施可能な限りにおいて、イヌの受け入れ窓口を少なくとも一か所、24時間、提供しなければならない。Authorities must, where practicable, provide at least one point of acceptance to which dogs can be taken round the clock. 


Dogs Trustは、この「現実的に実施可能な限りにおいて」(where practicable)という部分に文句を言っている。「現実的に可能でなければ受付なくてもよろしい」という意味にも解釈される、というわけです。特に問題なのは、捨て犬や迷い犬が発生するのは、大体において夜間か週末であるという現実です。

で、迷い犬や捨て犬の収容を任された自治体は何と言っているのか?Bradford市の環境問題担当者は、
  • 夜間に迷い犬を見つけた場合は、見つけた人が一晩だけ預かってくれれば、翌日、イヌの保護官が出勤してきたときにもらい受けに行く。あるいは市役所の緊急電話に電話をしてくれれば、イヌを手放すにはどうすればいいかの詳細を説明する。 We are basically relying on the members of the  public who take in stray dogs to either hang on to them until the following day until a warden is available to call round and collect. Or, alternatively, if they contact our emergency number we'll give them details of what they can do with the dog to get it out of their possession.
と言っています。
 
▼これは私(むささび)の個人的な体験に基づく推測でありますが「市役所の緊急電話」というのは、英国でも日本でも、録音された「アドバイス」が流れるだけで、ほとんど何の助けにもならない。Bradford市の場合は、指定のケンネルを紹介したりするそうですが、はっきり言ってタライ回しということですね。

▼日本では捨て犬・迷い犬の担当は、それぞれの町の保健所なのではないかと思うのですが・・・。英国の場合、以前は警察と役所の二つが担当していたわけですが、それも妙なシステムですよね。「夜間・週末は警察、それ以外は役所」という分け方自体があいまいだと思いません?一元化は妥当ですよね。
迷い犬撲滅についてDogs Trustでは、イヌにマイクロチップを埋め込むことを義務化することを求めています。この団体では1999年以来、マイクロチップ装着運動を進めており、これまでに約23万頭のイヌにマイクロチップを埋め込んでいるとのことで、今後はこれを法律で義務化する運動を進めていきたいとしています。

▼約10万頭の「迷い犬」のうち、どの程度が「捨て犬」(abandoned dogs)なのか、Dogs Trustのサイトでははっきりしない。そもそも10万頭というのが多いのか少ないのか?日本の愛犬団体の約10年前の統計によると、保健所で公表されている分だけでも「1年間でおよそ7万匹の犬が捨てられ、15万匹が殺処分されている」のだそうです。

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4)戦争のコスト

アメリカのブラウン大学が主宰しているワトソン研究所(Watson Institute for International and Public Affairs)は国際関係も含めた社会問題を幅広く追及する機関として知られていますよね。この研究所が主宰して今年(2023年)の5月15日に発表した研究論文に "Costs of War"(戦争の経費)というタイトルのものがある。発表したのはステファニー・セイベル(Stephanie Savell)という研究員なのですが、タイトルが "HOW DEATH OUTLIVES WAR" となっている。


Stephanie Savel
このタイトル(HOW DEATH OUTLIVES WAR)、「死が戦争を負かすとき」とでも訳すべきなのか。要するに戦争というものが、軍事活動に直接関わった関係者以外の人びと全体に如何に大きな影響を及ぼしているかを数字で証明しようとしているのですが、問題にしているのは、2001年の9・11テロにつづいて、「反テロ」の名目でアメリカが行った「戦い」の結果として、惹き起こされた重大な「犠牲」について証明しようとしているものです。


セイベルが語っているのは、戦闘行為そのものによる直接の死ではなく、戦争がもたらした様々な要因によってもたらされた「間接的な死:indirect deaths」についてです。戦争がその国や社会にもたらした要因(経済的破滅・人命の損失・食糧の欠如、厚生制度の崩壊、環境破壊 etc 数え上げればきりがないような崩壊現象が起こっている。

9・11同時多発テロに関連して主にアメリカによる「反テロ戦争」の舞台になった国々(アフガニスタン・パキスタン・イラク・シリア・イエメン・リビア・ソマリア)における死者数は、戦闘行為による直接の死者数は93万7000人とされいるけれど、間接死も含めると少なくとも450万の人命が失われている。そのうち間接死者は360万人となっている。これらの間接死者数は、いわゆる「戦争」が終結した後も続いている。アフガニスタンの場合、米軍による爆撃が始まったのは2001年、20年後の2021年には米軍は引き揚げているけれど、ここで言う「間接死」は今でも増え続けている。

 アフガニスタンの「戦前」と「戦後」
2001年以前 2022年以後
食糧難のアフガン国民 62% 92%
栄養失調の児童 9% 50%
貧困状態のアフガン国民 80% 97%

この報告書っを作成したステファニー・セイベルによると、近代における「反テロ戦争」のような行為の場合は戦闘員による「直接死(戦死)」1件あたり最低4件の間接死が発生しいると思って間違いないのだそうです。
  • 間接死が悲劇的なのは、戦争さえなければ防げた死であるということだ。 Indirect deaths are devastating, not least because so many of them could be prevented, were it not for war. 
と、セイベルは言っているのですが、このような国における死者の場合、いわゆる「戦死者」には男性が圧倒的に多いのに対して、間接死の場合は女性か子供が不釣り合いに多いのだそうです。


セイベルは戦争の責任を様々なグループの人間(政治家・軍人・社会活動家・知識人など)に配分しようとは思っていない。戦争がもたらす犠牲については、はっきりした責任など取りようがないともいえるからなのですが、彼女の狙いはあくまでも戦争という行為がもたらす人的な犠牲に眼を向けさせ、これを遂行しようとする政府にストップをかけることにある。

最近の国際問題としてはウクライナは別にして、気候変動が大きく取り上げられるけれど、セイベルはその件について次のように報告しています。
  • 9・11以後の戦争は、気候変動にも大いに「貢献」している。アメリカ国防省が世界でも有数の温室化ガス排出機関の一つとなっている。国防省による戦争はさらに世界中における市民の自由や基本的人権の侵害にも繋がっている。 The post-9/11 wars have contributed significantly to climate change. The Defense Department is one of the world’s top greenhouse gas emitters. The wars have been accompanied by erosions in civil liberties and human rights at home and abroad.

▼戦争というものを「軍事力の戦い」という観点からのみ語るのではなく、人間の行為という観点に引き下げることによって、戦争も反戦もしっかり見えてくる…。その意味でセイベルの研究は貴重なものだと思いませんか?

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5)どうでも英和辞書
A-Zの総合索引はこちら

mugshot:顔写真

上の写真は8月25日付のBBCのサイトから拝借したものです。人物はもちろんアメリカのトランプ前大統領ですが、写真説明として記載されたのは次のような見出しです。
  • Historic Trump mugshot released in Georgia arrest
「ジョージア州における逮捕に関連して発表されたトランプの歴史的な顔写真」というわけですが、写真のポイントは左上の丸で囲まれた部分にある。そこにあるのは "FULTON COMMUNITY SHERIFF'S OFFICE"(フルトン自治体警察官事務所)という文字なのですが、この写真を撮影して世間に配布した主体である警察の名前です。

BBCの記事で使われている "mugshot" という言葉ですが、意味としては「顔写真」なのですが、英国の辞書は次のように説明しています。
  • a photograph taken by the police of a person who has been charged with a crime 罪を犯した人物として警察によって撮影された人物の写真
共同通信の記事によると、トランプはこの写真を自分のSNSにも使用したのだそうですね。

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6)むささびの鳴き声
▼昨日(8月26日)の夕方、TBSの「報道特集」を見ていたら「石川真生(いしかわ・まお)」という写真家を紹介するドキュメンタリーをやっていました。むささびは全く知らなかったのですが、1953年沖縄の生まれだから、今年で70才になる。番組のサイトによると、この人は「全身写真家」と呼ばれ、この49年間、沖縄を撮り続けてきた。つまり頭のてっぺんから足の爪先まで写真家に凝り固まっているということなのでしょう。

▼むささびとしては、これからもっとこの人の作品を観察したいと思うけれど、「報道特集」の中で石川さんが沖縄の現状について本土の人間がとりがちな「客観的とか中立という態度」について「卑怯だ」と言い切っていることに感銘を受けました。彼女の言うことを聞きながら、本号のむささびで紹介している『戦争のコスト』という記事のことを思い出しました。戦争であれ、その他の社会不安であれ、できるだけ(抽象的な言い方ですが)「自分の問題」として考えることだと思いますね。


▼"fishy"という単語、聞いたことあります?「魚のような」などと言われても何のことだか…むささびが愛用するCambridgeの辞書を見ると"fishy"の意味として"seeming dishonest or false" という説明が出ています。「不正直もしくはニセモノのように見える」ということですよね。で、むささびが"fishy"という単語を眼にした最近の例として8月26日付のBBCのサイトに出ていた上の見出しがあります。

▼福島の汚染水の海洋放出に対する中国政府の「怒り」についてレポートしている記事なのですが、要するにこの問題についての「中国の怒り(China's outrage)が「不正直もしくはニセモノ」であると言っている。記事を書いたのはBBCシンガポール支局のFrances Maoという女性記者のようです。中国側の主張は「科学的な裏付けがない:not backed by science」というわけで、
  • the consensus from experts being that the release poses no safety risks to ocean life or seafood consumption. 専門家の間では、今回の放出は海洋生物の生命や海産物の消費にも危険を伴うことがない。
  • とのことです。
▼中国で思い出したのですが、最近、岩波書店から『鉄道と愛国』という本が出ているようです。書いたのは朝日新聞のジャーナリスト・𠮷岡桂子さんで副題が「中国・アジア3万キロを列車で旅して考えた」となっている。むささびはまだ読んでいないけれど、「新幹線をプリズムに日中関係を振り返り、アジアにおける日本の未来を考えた本」であるというのが著作の意図です。

▼むささびが著者に聞いてみたいと思うのは、ロシアと中国の関係についてです。日本のメディアでは中ロ関係を「反米・反西欧」というからみで不安視する声が強いように思うのですが、人間が持っている「ナショナリズム」という弱点を考えたときに、中国人とロシア人は「反米・反西欧」というだけで手をつなげるのか?𠮷岡さんなら分かるのではないか、と思っていたら、彼女はこれから朝日新聞を1年ほど休んでハンガリーで研究者生活を送るらしい。だったらなおのことです。ヨーロッパ(特に中欧・東欧)の人たちの対中感覚、中国人の対ヨーロッパ感覚はどうなっているのか?

▼だらだら長々、失礼しました。埼玉県飯能市の気温はいま(8月27日午前10時)すでに33度です。お元気で!

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