musasabi journal

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456号 2020/8/16
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BREXIT 美耶子の言い分 美耶子のK9研究 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書
    

埼玉県は酷暑の中、終戦記念日を迎えたのが昨日でした。いろいろなメディアが「戦争を語り継ぐ」企画をやっていました。それぞれが切実な想いで「二度と戦争をしてはならない」という言葉で締めくくっていました。そこでむささびからの提案ですが、これからは「二度と戦争は・・・」に代わって「現在の憲法だけは変えてはならない」と言うようにしてはどうですか?
目次

1)アンケートで振り返る、コロナの英国
2)どうでも英和辞書
3)むささびの鳴き声


1) アンケートで振り返る、コロナの英国

「むささび」が初めてコロナについての記事を掲載したのは、2月22日発行の442号で、『ちょっと待て、ウィルス・パニック』という記事だった。保守派のジャーナリストが書いたもので、「それほど大騒ぎするな」というニュアンスのものだった。
■感染者32万

最初の英国人死者が出たのは2月28日のことだったのですが、それは横浜に停泊中の客船Diamond Princess号で隔離されていた人で、英国内で初めて英国人が死亡したのは3月5日だった。その時点における感染確認件数は115件だった。それから5か月後の8月14日現在、アメリカのジョンズホプキンス大学のデータを見ると、感染者数は32万に迫り、死者は4万7000人にまで達しようとしている。

感染者数を比較すると、英国は日本の約7倍なのですが、死者数は45倍にも達している。この半年間、日本人はコロナに押しつぶされそうな雰囲気で生活している(と思う)。でもこれらの数字だけを見ると、この約半年間、コロナに関する限り英国人の方が日本人よりもはるかに精神的に厳しい状態(追い詰められたような気分という意味)で過ごしてきたのではないか・・・というのがむささびの想像です。実際にはどうだったのか?世論調査機関のYouGovのサイトに出ていたアンケート調査のうち、コロナ禍に関係するものだけを抜き出して紹介することにしました。これらのアンケートからどのような「英国」が見えてくるのか?


アンケート
1.コロナは心配か? 9.「専門家」は信頼できるか?
2.マスク大嫌い! 10. ワクチンが開発されたら・・・
3.マスクが嫌いな理由 11.自分の血液型を知っているか?
4.マスク着用者印象は? 12.今年中に旅行する計画は?
5.買い物とマスク 13.政府支援で外食する気は?
6.学校とパブの再開 14.コロナで中国観が変わった?
7.第二波の責任は? 15.ワクチンとロシア・スパイ
8.第二波、直ちにロックダウン? 16. で、ボリスの評判は?


1. コロナは心配か?

2020.1.23 Daily Express 
中国の湖北省武漢市の保健機関により原因不明の肺炎患者が初めて報告されたのが2019年12月8日、英国で初めて感染が確認されたのは、それから約1か月半後、1月31日(2件)のことだった。これが後に「新型コロナウィルス」(Covid-19)となるわけですが、ただ、英国では1月23日付の新聞がコロナウィルスへの感染についての英国人の不安を伝えるアンケート結果(上)を掲載している。

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2. マスク大嫌い!
4月現在の着用率

コロナ騒ぎの最初のころ、英国人は国際的にはマスク嫌いで通っていた。Royal SocietyとBritish Academyという学術組織が共同で行った国際調査によると、4月末現在の英国人のマスク着用率が他の国に比べると異常に低い。ただ英国人の場合、「マスク嫌い」と言っても、それがデモに発展したり警察沙汰になるという感じではない。マスク自体が気持ちのいいものではないけれど、上から言われて着用するのが不愉快というケースが結構ある。


3. マスク着用に消極的なのは何故?
1ミリの1万分の1

ジョン・リーという医者によると、人間の髪の毛の太さは1ミリの10分の1、「バクテリア」と呼ばれるものの大きさは髪の毛の太さの100分の1、「コロナウィルス」の大きさはバクテリアの10分の1=1ミリの1万分の1なのだそうですね。「1ミリの1万分の1」などと言われても何だかよく分からないけれど、コロナウィルスは髪の毛の横幅の上に1000個並ぶことができる、そんな大きさらしい。マスクで使われる一番安い材料(衣服に使われる布地)の場合、気孔(pore)のサイズは頭髪の太さの1~5倍だからウィルスの侵入防止の役には立たない。医療用のマスクに使われている布の気孔はそれよりはるかに細かくて、服地のそれの1000分の1だから侵入物はかなりさえぎられる。とはいえウィルスの粒の約3倍はあるのだから絶対安全ではないというわけ。

薬局のBootsのサイトによると、マスクの値段は一番安くて一枚4ポンド、高いもので10ポンドなどとなっている。

そして英国では7月24日にコロナウィルスに関する新しい規則が施行され、イングランドにおけるスーパーのようなショッピングセンター、交通拠点、銀行のようなパブリックスペースではマスクの着用が義務となっており、違反すると最高100ポンドの罰金が科せられることになった。
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4. マスクをしている人の印象は?


5. 買い物をしたくなる店は?
つまりマスクに対する態度が一変してしまった、と。あたかも政府に言われるのを待っていたかのように、です。従順なんだかコロナ拒否反応なのか、よく分からない。たぶん後者だよね。


6. 学校とパブ、どちらが先に再開すべき?

ボリス・ジョンソンが初めてイングランド全土にロックダウンを宣言したのは3月23日ですが、小学校・中学校の閉鎖はそれより3日前に始まっていたし、パブのような外食業の閉鎖も同じタイミングで始まっていた。が、パブ好きの英国の人たちも子供の教育に比べれば重要度が桁違いだった。
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7. コロナ第二波の責任は?

「責任」と言われてもなぁ

7月も末になってヨーロッパの中でも特に感染の激しい国とされ、英国人もたくさん暮らしているスペインからの入国者に対して2週間の強制隔離の方針が発表されて問題になったのですが、そんな中でボリス・ジョンソンが「ヨーロッパではコロナ禍の第二波が始まっている」と警告、英国でも現実的な話題になり始めた。

ただ・・・「第二波の責任」と言われても困るよね。ここでいう「国民全体」は英語の "the public" というのをむささびが日本語にしたものです。ボリスもいろいろとドジを踏んだかもしれないけれど「責任」を追及されてもなぁ。

 8. 第二波の際は直ちにロックダウン?
「第二波に襲われたら直ちにロックダウン」という発想に圧倒的多数が賛成している。このあたりが半年を経て英国人がたどり着いた「覚悟」なんじゃありませんかね。あちらの「ロックダウン」は日本のような「自粛要請」ではありません。
 
麻生太郎氏がかつて「日本に感染者が少ないのは民度が高いから・・・即ち命令しなくても国民が自粛するから」と言ってむささびを嘲笑させてくれました。「自粛要請」というのは、政治指導者たちの責任逃れの手段ということですよね。
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9. 「専門家」は信頼できるか?


泣く子も黙る?ニール・ファーガソン

英国における感染病についての専門家というと、一番先に思いつくのがImperial College Londonのニール・ファーガソン教授(52才)でしょう。ジョンソン首相に「このまま何もしないでいると50万の英国人が死に、ソーシャル・ディスタンスの確保程度のことで済ませていると、25万人の命が危なくなる」というアドバイスを与えた人物です。ジョンソン首相は「ソーシャル・ディスタンスさえ確保していれば大事には至らない」と考えていたので、ファーガソン教授の警告を聞いて態度を一変させ、英国全体をロックダウン状態に閉じ込めてしまった・・・と批判的に語る向きもいる。

ファーガソン教授はまた、このまま何もしないでいると英国の人口の81%がCovid-19(コロナウィルス)に感染すると言っているらしいのですが、保守派のジャーナリスト、ロス・クラークはこれを「とてつもない(extraordinary)」数字だと批判している。「人口の81%」と言えば4800万以上なのだから確かに「とてつもない」数字に見える。横浜に停泊していた客船、ダイアモンド・プリンセス号には3700人もの乗客・乗員が乗っていた。ウィルス繁殖の理想郷のような環境だったはずだ、にもかかわらず、陽性とされたのは712人(全体の17%)だった、「81%なんてとんでもない」とロス・クラークは言っているわけです。
このアンケートの「そこそこ」と「大いに」を足すとようやく半数を超えるあたりに、英国人のバランス感覚を見るような気がするわけよね。これを「疑い深さ」とか「保守性」と呼ぶ人もいるけれど・・・。
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10. コロナワクチンが開発されたら・・・

若い人ほどワクチン懐疑派?

このアンケートを見ると、圧倒的多数がワクチン接種を望んでいるように思えるけれど、8月9日付のGuardianによると、ワクチン接種については、はっきり「やりたい」と言っている英国人は半数を少し超える程度(53%)なのだそうで、16%が「絶対に接種しない」(would definitely not)と言っている。ワクチンに否定的なグループは「科学を信用せず、コロナウィルスについても大して気にしていない」(greater scepticism about science / less concerned about the impact of the Covid-19 pandemic) というタイプの人たちなのだそうです。また年齢によっても反応が違うのだそうで、16~34才の22%が「やらない」と否定的なのに対して、55~75才となるとこれが11%にまで落ちるのだそうです。

あなたはどうですか?ワクチンが開発されたら、早速接種します?そういえば、子供のころに「ツベルクリン反応」なるものがありましたよね。具体的に何をやったのかは記憶にないけれど、この「反応」の結果が「陰性」の場合は結核に対する抵抗力がないというわけでBCG注射なるものを打たされた。これが結核に対するワクチンみたいなものだったのですよね。むささびの場合、どういうわけか最初から「陽性」だったのでBCG注射などやらなかった。
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11. 自分の血液型を知っているか?
嬉しいじゃありませんか、英国では自分の血液型を知らない人の方が多いってんですから。実はむささびもつい最近まで知らなかったのでありますが、ミセスに教わりました。アタイはA型なのだそうです。


12. 今年中に旅行(海外・国内)する計画は?
英国運輸省(Department of Trasport)のサイトに「英国へ入国する際に自己隔離(self-isolation)を要求されない国」というのが出ている。オーストラリア、チェコ共和国、クロアチアなど約80か国がリストアップされており、日本も含まれている。これらの国の国民やそれらの国を訪問した英国人が英国へ入国するときでも2週間に及ぶ自己隔離は要求されることがない。このような国と英国の関係のことをTravel Corridorsと呼ぶのだそうです。日本語にすると「旅行回廊」ということになる(かな?)。もちろんコロナ禍に関連するもので、中国もアメリカもロシアもこのリストには入っていない。

フランスをめぐる混乱

このリストにはフランスが入っているのですが、8月15日午前4時を以てリストから削除される(will be removed from the list, 4am Saturday 15 August 2020)と書いてある。つまりそれ以後に英国への入国を希望する場合は2週間の自己隔離が必要とされるようになったわけ。フランス以外にもオランダ、モナコ、ベルギーなども入っているのですが、サイトをよく見ると "Last updated 13 August 2020"(8月13日更新)"と書いてある。ずいぶん急な話ですが、フランスでバカンスをと思って出かけて行った英国人も多いはず。2週間の自己隔離を避けるべく8月15日午前4時に英国入りを狙う英国人でかなり混乱している、と伝えられている。

ずいぶん急な話ですが、フランスでバカンスをと思って出かけて行った英国人も多いはず。2週間の自己隔離を避けるべく8月15日午前4時に英国入りを狙う英国人でかなり混乱している、と伝えられている。そりゃそうでしょうよ!



13. Eat-out-to-help-out参加レストランに行く気は?

Eat out!と言うけれど

8月1日から始まったEat Out to Help Outという政府による外食産業支援キャンペーンは、8月中の月、火、水曜日に登録された飲食店で食事をすると料金の半分を政府が負担してくれるというもの。但し一人10ポンドが上限で、アルコールや持ち帰り商品、サービス料は割引対象外なのだそうです。一応英語の解説をさせてもらうと、"Eat Out" は「外食をしよう」、"to Help Out" は「苦境から救い出すために」という意味ですよね。ロックダウンなどの影響もあってレストランやパブが厳しい状態になっているので「皆で協力して救い出しましょう」と言っているのですが、"Out" を続けて使ってリズム感を出している。

日本の農水省がやっているキャンペーンは "Go to Eat" というのだそうですね。"Go to Travel" はどこがやっているのでありましょうか。なぜこのようなキャンペーンのタイトルを英語にするのか・・・これを決めた人たちに是非教えてもらいたい。
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14. コロナで中国観は変わった?
YouGovのサイトには人気投票のようなコーナーがあるのですが、好きな国のランキングで中国は150か国中の115位(日本は20位)となっている。必ずしも英国人だけが投票しているわけではないけれど、第1位がオーストラリアで第2位がカナダとくれば、投票者の大半が英国人であることは間違いない。中国ファンが挙げる中国のいい点として「文化」「歴史」「産業」食べ物」そして"people"などがある。ただこれらのランキングとコロナの関係については特に触れられていないので分からない。

嫌がらせが増える

一方、コロナ禍が理由であることがはっきりしているのは、5月5日のSky Newsが伝える在英中国人に対する嫌がらせの増加です。警察によると、2020年1月~3月だけでイングランド全体で267件の対中国人の暴力・嫌がらせ事件が起きているのですが、2018年と2019年における1年間の数字がそれぞれ360、375件となっているのを見ると、3か月で267件というのはかなりの件数です。ある中国人コミュニティに送られてきた匿名の手紙の文面は次のようになっている。
  • With the disgusting barbaric animal cruelty you people do, you all deserve to get the virus. アンタらがやっている吐き気がするような動物虐待をもってすれば、アンタら全員がウィルスに感染するべきなのだ。

15. 英国のワクチン技術をロシアが盗む?
「優しい熊さん」に気を付けよう

「ロシアのスパイが英国・米国・カナダがそれぞれ開発中のコロナウィルス用ワクチン開発技術を盗もうとしている」と英国の情報筋が言っている・・・ホンマかいな!と笑いたくなってしまうけれど、これがBBCのサイト(7月16日)のトップニュースだったとなると、簡単に冗談扱いもできない。サイバー安全センター(National Cyber Security Centre:NCSC)が伝えるところによると、英国などの研究機関の情報をハッキングしようとしている組織は「ほぼ確実に(almost certainly)」ロシアのスパイ組織の一部門であるとのこと。ただ具体的にどの組織が狙われ、どのような情報が盗まれようとしているのかについては「具体的に言及していない」(did not specify)とのことだった。

もちろんロシアはきっぱり否定しているけれど、Cozy Bear(優しい熊さん)というコードネームのハッカー集団があって、これまでにもロシア政権のためにいろいろとハッキングをやってその足跡が残されており、今回も彼らの仕業なのではないかとされている。YouGovのアンケート調査に答えているのは外交の専門家でも何でもないけれど、その割にはロシア人に対して疑い深いのですね。ちなみにYouGovによると、ロシアは英国人にとって150か国中、124番目に好きな国なのだそうです。中国(115位)よりさらに評判が悪い。

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16.  で、ボリスの評判は?

上のグラフを見ると、4月になってボリスへの支持率が急上昇、不支持率は急下降している。何があったのか?下のグラフは1月~8月の毎日の新たな死者数を示しているのですが、いちばん急激に増えているのは4月です。ウィキペディアなどを見ると、実にいろいろなことが4月に起こっている。まず首相自身がコロナに感染して入院(集中治療室)、女王が国民的な団結を呼びかける演説を二度も行った。イースター(復活祭)に女王が国民向けに話しかけたのは歴史上初めてのことなのだそうです。その中で彼女が強調したのが、「私たちはコロナには屈しない」(coronavirus will not overcome us)というメッセージだった。つまりボリスへの支持が高まったというより、国民的な危機感が高まったことが首相への支持率となって表れたのではないか(というのはむささびの見解にすぎません)。
1~8月、毎日発生した死者数の推移

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2) どうでも英和辞書
A-Zの総合索引はこちら 


silver bullet:銀の弾丸

8月4日付のBBCのサイトに
という見出しの記事が出ていました。世界保健機関のテドロス・アダノム事務局長が、最近の記者会見で「ワクチン開発の努力が続けられているけれど、コロナウィルスに関しては『銀の弾丸』はない」と発言したということで、日本語だと「特効薬」という言葉になるのでは?ウィキペディア情報ですが、「銀には高い殺菌作用があるほか、ヒ素化合物のひとつである硫化ヒ素と反応して黒変する性質があるため、古くから病をもたらす未知の存在へ対抗する手段として経験則的に知られている」とのことであります。

別のネット情報をコピペすると、今から34年前(1986年)に、コンピュータソフトの開発者として有名なフレデリック・P・ブルックス Jr.という人物が発表した論文のタイトルが
となっていたのだそうです。ソフトウェアの開発には常に「本質的な部分」(essence)と「偶有的な部分」(accidents)があるということを言いたかったとのことです(が、むささびにはよく分からない)。
 
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3)むささびの鳴き声 
▼昨日(8月15日)の夕方、ラジオを聴いていたら「終戦記念特集」というわけで、戦争にまつわる個人的な体験を語る視聴者からの投書を次から次へと読み上げていました。「個人的体験」と言っても、本当の戦争体験者のものではなく両親や祖父・祖母から聞いた苦労話ばかりで、結びの言葉は「もうあんなこと、二度とごめんだ、と言っていました」で決まりという感じだった。むささび(79才)でさえも昭和20年8月15日は4才だったから、戦争のことは知らないのと同じです。

▼それにしても75年という時の長さには言葉もありませんね。終戦の時から75年さかのぼると1870年になる。明治2年です。そして日清戦争(1895年)、日露戦争(1904年)、第一次世界大戦(1914年)を経て太平洋戦争(1941年)となるのですが、この間、日本人の心に何が起こっていたんですかね。

▼一つの手がかりとなる(かもしれない)のは、日英同盟の締結が1902年、HGウェルズという作家が "A Short History of the World" という歴史本を書いたのが1922年だったということ。日本はウェルズによって「アジアの若き帝国」として褒めまくられていた。舞い上がった心の日本人にしてみれば、自分たちが先頭に立ってアジアを欧米の帝国主義から解放するという妄想に酔いしれてしまったとしても大して不思議ではなかったのかもしれない。

▼昨日聴いたラジオ放送に「個人的戦争体験」を送ってきた視聴者たちは、自分の両親や祖父母から聞いた話を語ったあと異口同音に「二度とごめんだ」という直接体験者のメッセージを伝えていました。そのようなことを繰り返さないために「いま何をするのか」を語る言葉が全く聞けませんでした。このむささびの冒頭で、終戦記念日には「戦争は二度とごめんだ」ではなくて「現在の憲法は絶対に変えない」という言葉を使うべきだと言いました。「過去」ではなくて「将来」を語ろうということです。

▼ALSに侵された女性を「尊厳死」させた医者の行為について、石原慎太郎氏が「武士道の切腹の際の苦しみを救うための介錯の美徳」とツイートしたのだそうですね。むささびはここで尊厳死や安楽死の善し悪しを論ずるつもりはありません。一つだけ言わせてもらうと、忠臣蔵の赤穂浪士たちの切腹とALSに苦しむ人の自殺願望を、勝手に関連付けて感激している現代の「87才」が放ったギャグのつまらなさ加減におならも出なかったってこと。アンタはいい加減に黙っていた方がいい。それがアンタにできる唯一の「貢献」です、と伝えておいてくらはい。

▼埼玉県の山奥では、ヒグラシとミンミンゼミとツクツクボウシが一緒に鳴いています。お元気で!

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