musasabi journal

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美耶子の言い分 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書
第42号 2004年10月3日
こんにちは。ようやく関東は涼しくなりました。今日(10月3日)あたりは寒いくらいです。雨も冷たいし。イチローがついにやりましたね。私、割とプロ野球が好きでありまして、イチローがオリックスに入りたてのころにコーチをしていた新井という人の現役時代(南海ホークス)をよく覚えています。ホームランバッターではないのですが、殆ど三振がない。相手にとっては本当にイヤなヤツでした。 今回、久しぶりにフィンランドのことを掲載しました。

目次

@150年後のオリンピックで女が男を抜く
Aブレアのスピーチは「言葉のサラダ」!?
Bフィンランド通信:親は子供の面倒を見よう!
Cマスター由の<イエローストーン国立公園旅行記>
D短信
E編集


@150年後のオリンピックで女が男を抜く
オックスフォード大学の研究チームによると150年後のオリンピックにおける陸上100メートル走では女性走者が男性ランナーの記録を上回ることになっています。「だから何だっての?」と言われればそれまでですが、私そういう話が非常に好きなわけです。

アンドリュー・テイタム博士が率いる研究チームが過去約100年間の五輪の記録を調べたところ男女の速度差が徐々にとはいえ縮って来ており、このままのペースで行くと2156年の五輪大会で女性走者が100メートルを8・079秒で走ることになり、男性は8・098秒になるとのことです。

陸上の100メートル走に女性ランナーが初めて登場したのが1928年のアムステルダム大会でその時の金メダルが12・2秒。男性走者は10・8秒。その差1・4秒であった。1952年大会では女性が11・5秒で男性は10・4秒で、その差は1・1秒に。これが1988年、2000年大会とどんどん縮まっており、次の北京大会では0・84秒になると予想されています。

実は先のアテネ大会の記録はというと女性金メダリストのネステレンコ(ベラルーシュ)の記録が10・93秒で、男性のガトリン(米国)は9・85秒だから差は1・08秒と差をつけられているのです。が、テイタム博士によると「アテネの場合は必ずしも世界の高速走者が参加したわけではない」とのこと。

博士は「150年後に必ずそうなるというわけではない。しかし可能性は極めて高い」とコメントしています。 ただアテネ五輪の英国女性ランナー、アビ・オイピタンによると「女が男より速くなることは絶対にない。肉体的に無理」と言い切っております。ちなみに彼女はアテネ五輪で7位だった人です。

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Aブレアのスピーチは「言葉のサラダ」!?
先ごろ開かれた労働党大会におけるブレア首相の演説については、日本の新聞でも報道されていました。イラクで大量破壊兵器が見つからないということについては、これを誤りと認めながらも、サダム・フセインを追放したことは正しかったという趣旨のようですね。その部分、彼は次のように言っています。

The problem is I can apologise for the information being wrong but I can never apologise, sincerely at least, for removing Saddam. The world is a better place with Saddam in prison.

私が何か言ったからって関係ないのですが、I can apologiseのcanが気になります。これには「謝ってもいいよ」という意味が入っており、「謝ります」とはかなりニュアンスが異なるのではないかと思うのです。非常に往生際が悪い。The world is a better place with Saddam in prisonは論外。それほど世の中良くなったとも思えませんが・・・。

で、BBCのサイトを見ていたら、英国の高校生にこの演説をどう思うのかを語ってもらうという企画をやっていた。いずれもいわゆる「Aレベル」という秀才たちのようです。一人の学生(17歳・男子)は、ブレアさんが上記のように謝ったことについて「一見マジメに謝っているようだけど、それもPRに違いない」(I think it was mainly a publicity stunt)と言っています。

同じ年の女子学生は「イラクのこと以来、彼(ブレアのこと)は信用できない。けど説得力はある。本気で自分の言っていることを信じているみたい」(I’m inclined not to trust him so much because of all the stuff about Iraq. But he seemed quite convincing. He seemed like he believed it)と苦しい胸のうちを語っております。

もう一つ面白いと思ったコメントは、当日のブレアさんの立ち振る舞いに関するもの。18歳の男子学生は「(演説は)全く好きになれなかった」としながら、ブレアがステージに上がるまでにいろいろな人々とにこやかに握手を交わし、ステージでは大勢の人間を従わせていたということで、これを「非常にアメリカ的」(It’s all very American)と批判的。 BBCはこれら高校生のコメントについて「イラク戦争で失った信用を取り戻すのは大変だ」(it seems he may struggle to win back the trust lost over the Iraq war)と言っています。

ブレア首相については「口ばかり達者で内容がない」ということはよく言われることです。私の友人のアメリカ人(ブッシュ支持の保守的アメリカン)はブレアのスピーチについて”word salad”(言葉の羅列)と言っておりました。オモシロイ表現もあるものですね。で、ブレアさんのword saladをご覧になりたい方はここをクリックすると見ることができます。
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Bフィンランド通信:親は子供の面倒を見よう!
久しぶりにフィンランドからの話題。親が自宅にいるのに子供たちが託児所に預けられるというケースが多くて、行き過ぎた福祉政策が親子の絆を阻害していると問題視されています。有力紙のHelsingin Sanomatが伝えているもので、一つの町で大体800人、そのような子供たちがいるとかで、全国的には1万人を超えるのではとされています。

フィンランドの場合、都市部では学齢以下の子供たちには全て公立託児所に入る権利が与えられていますが、どちらかの親が自宅にいるにもかかわらずこのような施設に子供を入れる場合は、親が育児休暇中とか失業中の場合が多かった。二人目、三人目の子供が生まれた場合、父親も育児休暇をとる権利が与えられているそうです。

それが最近では週末に子供を預かってくれと連れて来る親が多くなったとか。大体の場合、週末を子供なしに自由に過ごしたいというのが理由なのだそうで、ヘルシンキなどでは断るそうですが、必ずしも他の町ではそうでもないらしい。

ライモ・サイラス大蔵大臣は常日頃から辛口のコメントが多い人だそうで、この種の託児所利用には極めて批判的で「現在のような”寛容な制度”の下では親が子供に責任を持たなくなる」とコメントしています。「二人目の子供が生まれたような場合でも、母親は最初の子供と生まれた子供の両方の世話をすべきだ」と主張しています。 フィンランドを始めとする北欧諸国は福祉国家で有名ですが、それにも限度があるということなのでしょうね。そりゃそうだ。
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Cマスター由の<アメリカ南部体験ルポ後編・メンフィスにて
テネシーでシティライフを満喫してから3日もたたないうちに、今度は自然の中での生活を体験すべくワイオミング州はイエローストーン、およびグランド・ティトン国立公園を訪れた。これらの国立公園、特にイエローストーンというのはおそらく日本でもよく知られている場所なのではと思う。何年か前に埼玉県飯能市内の某ラーメン屋に立ち寄った時、僕がアメリカに住んでいるということを聞いたその店のご主人が、自分はイエローストーンに行ったことがあると自慢げに(?)話してくれたのを覚えている。実際イエローストーンでは、日本人の家族連れの観光客を何組か目撃した。

イエローストーンの8月の気候は、日本に比べると非常に乾燥しており、また夜は非常に寒くなる。ということで、日本の人達にとっては恰好の避暑地なのかもしれない。イエローストーンおよびグランド・ティトンにいる間は、ホテルに泊まるのではなくテントを張ってキャンプをすることにした。その方が安上がりなうえ、自然の中で生きていることをより実感できると思ったからである。

イエローストーンのキャンプ施設は公園内各地に点在しており、だいたいどこもテントを張る場所を確保するのは予約制ではなく「早い者勝ち」である。また施設そのものはどこも非常に充実しており、トイレやシャワー、バーベキュー用のグリルなどが完備されている。ただシャワーは1回につき3ドルほどかかる。またこのへんでは熊が現れることがたびたびあるらしく、熊を寄せ付けないためにごみや飲食物、その他人間のにおいのするものを放置しておくのは禁止されている。そのせいか、公園内ではごみ一つ落ちているのを見たことがない。 また野生の動物に食べ物を与えること、草花や木々に手を付けること、そして温泉や池に物を投げたり入ったりすることも違法とされている。

さらに、夜の8時から朝の8時までは「消灯時間」とされており、大きな声で話したり音楽をかけたりするのは禁じられている。要するにできるだけ自然のリズムを狂わせずにそのままにしておこうということである。

さてイエローストーンおよびグランド・ティトンでは山、丘、川、湖、池、森林、平地、草原、滝、岩山、温泉、間歇泉、そして野生動物などありとあらゆる自然の産物を見ることができた。特にオールド・フェイスフルという場所の間歇泉には感動した。まさに地球は人間の意思とは無関係に生きているということを体感できる場所であった。

正直言ってここで言葉でごちゃごちゃ表わそうとするよりは、実際に写真などで見てもらった方が、読者の皆さんにはその素晴らしさを味わって頂けるのではと思う。以前にカウンセリング心理学者が書いた本で「人間の霊的エネルギーというのは、都会などで忙しく駆け回っている時よりは、自然の中などで静かにじっとしている時の方がより高められる」というのを読んだことがある。はたから見るとこのコンセプトは矛盾しているようにも見えるのだが、ワイオミングで1週間ほど過ごしてみて、その意味が何となく分かったような気がする。

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D短信
1)歯医者不足(?)の悲劇

(歯の痛みなどを)もう我慢できない、というのは英語で何と言うのでしょうか。普通はI can’t take any moreあたりかな?先日のThe Sunという英国の新聞がスカボロに住むの47歳・男性の「もう我慢できない」を伝えています。何かというと歯の痛み。夕方痛み始めたので友人と手分けして国民保険(NHS)がきく歯医者を探したのですが、どこも引き受けてくれない。夜なか中、七転八倒、ウォッカを半分空けてしまうほど飲んでのたうち回った挙句、もう我慢できないというわけで、DIYショップで買ったペンチを使って自分で痛む歯を抜くことに・・・。全部で4本痛んでいたとかで、最初の1本を自分で抜いた時には「死ぬほどの痛み」(blinding pain)を感じたのだとか。それから2本目・3本目を抜いたのですが、4本目が引いても引いても(!)抜けなかった・・・という時点でThe Sunに電話でもしてきたのでしょうか?記事は「まだ歯医者を探している」という進行形になっています。このことを聞いた地元のNHS歯医者は「朝の8時半に電話してくれれば見ることができるのに」とコメントしています。

読んでるだけで歯が痛くなるような話!?

2)キャベツ小僧?!

オーストリアのインスブルックという町で最近、奇妙な事件が続発しているそうです。何かというと、高速道路を走行中の車がキャベツを投げつけられるという「事件」。最近はメルセデス・ベンツの車めがけて歩道橋から投げたものらしく、車のフロントグラスが割れてしまった。爆弾でなくキャベツというあたりが却って恐ろしいような気がしないでもない。地元の警察でも深刻に受け止めており「死者が出るかもしれない悪質な犯罪」として現在、犯人を追っています。

ひょっとしてお百姓さんの仕業かも,ということはインスブルック警察だって知ってますよね!?

3)腕立てで逮捕

カリフォルニア州の幹線道路、車が行きかう中を、あろうことか腕立て伏せをしていた男が逮捕されてしまった。車がないのでヒッチハイクをしようと思ったのだが、誰も止まってくれない。こうなりゃこれだ、というわけで道路の真中で腕一本の腕立て(push-up)をやり始めた。パトロール中の警官が見つけて事情を聞いたところ、ヒッチハイクで自宅へ帰ろうとしていたとのこと。しかし本人が強いアルコールの匂いを発していたので「公共の場での酩酊」という罪で逮捕されてしまったらしい。

何でまた一本腕立てなんかやったの!?

E編集後記
でも日本における今年のプロ野球のゴタゴタを見ていると、確かにこの国は年寄りが多いという気がしますよね。プロ野球の会議なんかの映像を見ていても皆65歳以上なのでは?と思えてしまう●それはともかく次に挙げるプロ野球選手を知っている人、お知らせください。あなたはひょっとすると私よりも野球に詳しい人かもしれない●羽生田、三宅秀史、白坂長栄、千葉茂、田宮謙次郎、渡辺博之、藤村隆夫・・・いかがでしょうか!?●それはともかく秋田県には秋田杉の骨組みによるドーム球場があるんだそうです。サイトで見ました。宮城のプロ野球もここを使わない手はない。石毛宏典の四国リーグにも注目してください。これ、結構いいアイデアです●ただリトルリーグというのは止めて貰いたい。子どもが野球をするのはいいけれど、お父さんやお母さんがこれを手伝いにくるという、あの光景だけは止めてください。他にやることないのでしょうか?

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