musasabi journal 166

home backnumbers uk watch finland watch
むささびの鳴き声 美耶子の言い分 どうでも英和辞書 green alliance
2009年7月5日
昨日(7月4日)はアメリカの独立記念日。July 4thといえば、それだけで特別の意味を持つ日ですね。アメリカの友人が私の誕生日は非常に憶えやすいと言ったことがあります。July 4th plus oneと憶えればいいわけです。つまり本日(7月5日)は私の68度目の誕生日です。今回からサイトのレイアウトなどが変わりました。「工事中」が多いのですが、懲りずにお付き合いを。
目次

 
1)ガーデニング業界が好調な理由

英国というと、ガーデニングの国というイメージを持っている人が多いかもしれないけれど、実はここ数年はビジネスとしては下火だったんですね。The Economistによると、ガーデンセンターなどでの庭園用品や植物の売り上げは2001年には年間約50億ポンドであったものが、2008年には30億にまで下がったのだそうです。

景気が悪くなって、消費者が庭園用品などにあまりお金を使わなくなったことも理由の一つして考えられたけれど、英国庭園業協会(Horticultural Trades Association:HTA)によると、今年(2009年)は様子が違う。3月の売り上げの量(volume)は前年同期比で21%増、4月は28%の増加を記録したのだそうです。他の業界だと、値下げで販売量が上がるということはあるけれど、庭園に関しては値下げが理由ではないようで、前年比の販売金額を見ると、3月は37%、4月には42%も上回るという数字が出ており、値の張るガーデニング用品が売れているのだそうです。

HTAによると、一つには天候が味方している。2008年の春は寒かったけれど、今年は暖かい日が多くて夏も暑いと予想されている。が、なんと言っても経済不況が幸いしている。世論調査機関のMORIの調査でも、不況でなければ海外旅行をしていた人が、今年は自宅で庭いじりをやって楽しんでいる。

さらに、金融街、シティの失業者が次の職を見つけるまでの仕事として庭師になったり、ガーデンセンターで働いたりするケースもあるのだそうです。それに35歳以下の若年層でガーデニングにお金を使うのは人が増えている。これは環境保護や質素倹約のライフスタイルを楽しもうというわけで、畑仕事がトレンディーになったりしている部分もある。お陰でallotmentsといわれる公共の日曜菜園スペースが不足気味になっている。

ただ、HTAでは最近のガーデニングブームには天候や不景気よりもさらに深い部分で国民的な心理面での変化(changes in the national psyche)があるのではないかと言っている。HTAが挙げているのはFuture Foundationという機関の調査で、それによると、現代の英国人は外の世界にはロクなことがないので、多くの時間を家庭で過ごしたがっているという傾向にあるのだそうです。外の世界におけるイヤなこととは、失業・犯罪・役人仕事などです。つまり「不景気が長引けば長引くほど、英国が緑でいっぱいになるということかもしれない」(The longer the downturn persists, the greener the grass may grow)とThe Economistは言っております。

▼うーん、そうですか。つまりみんな疲れているってことですね。Future Foundationの調べだと、英国人はfortifying them into havensと感じているとのことです。「自ら立てこもりながら安息の地へ向かう」ということですね。一種の引きこもり現象なのかもしれない。どことなく日本の「田舎暮らしに憧れて・・・」というのを思わせる。

back to top
2)イヌの訓練に「命令」はムダ

英国ブリストル大学の動物行動学の研究陣がおこなった調査によると、イヌの訓練のために「命令と服従」というやり方を採用するのは「効果がないだけでなく、イヌを攻撃的にするだけ」(ineffective and could actually increase dog aggression)であり、罰則ではなく褒めることを通じて訓練する方がはるかに効果的(far more effective to train dogs through reward rather than punishment)とのことであります。

Telegraphなどの報道によると、英国のテレビ番組などでは、イヌとの付き合いについては「命令と服従が一番」というものが主流らしい。動物愛護団体に保護されている野良イヌたちを6か月にわたって観察・調査した、ブリストル大学のRachel Casey博士によると、

「イヌが常に群れ(人間も含む)を支配しようとしており、人間が主人だということを教えなければならない」という間違った前提に立っており、その思い込みが動物行動学を10年遅らせている。They claimed that each series “puts back animal behaviour by 10 years” because they are built on the false assumption that dogs are constantly trying to dominate the pack ? whether that be other animals or humans ? and must be put in their place.

とのことです。博士は「どのイヌも人間や他のイヌを支配したいという内的な欲求に基づいて行動するという盲目的な思い込みは、はっきり言ってバカバカしい。The blanket assumption that every dog is motivated by some innate desire to control people and other dogs is frankly ridiculous」というわけで、大切なのは「首尾一貫していることと良い行いを褒めること(Being consistent and rewarding good behaviour)」 だそうです。

いまから約30年も前の英国で評判になったテレビ番組に"Training Dogs the Woodhouse Way(ウッドハウス流のイヌ訓練)"というのがあった。その番組のプレゼンターとして人気があったのがBarbara Woodhouseという女性。この人は

この世に"悪いイヌ"はいない。いるのは上下関係をはっきりさせる経験を欠いたオーナーだけ。there are ‘no bad dogs’, only owners who lack experience at asserting the pecking order.

という哲学の持ち主だった。つまり、人間がイヌよりも上だということを教え込むことが重要だというわけで、ブリストル大学の研究陣はその考え方が間違っていると主張しているわけです。

英国でイヌの愛護活動をやっているDogs Trustというチャリティ団体のの獣医、Chris Laurenceも次のようにコメントしています。

イヌに対してオーナーが群れの長だと教える技術は非生産的だ。イヌの行いがよくなることはない。内心びくびくしている怖がりのイヌや攻撃的で一緒にいるのが危険なイヌを増やすだけ。 Sadly, many techniques used to teach a dog that his owner is leader of the pack is counter-productive: you won’t get a better behaved dog, but you will either end up with a dog so fearful it has suppressed all its natural behaviours, or one so aggressive it’s dangerous to be around.”

back to top

3)偉大な哲学者は人種差別主義者だった?

6月初旬に行われた欧州議会(European Parliament)議員の選挙で極右政党といわれる英国民族党(British Nationalist Party: BNP)のNick Griffin党首が当選したことが大きな話題となりました。「話題」といっても、「白人優越主義・極右勢力の台頭」というネガティブな意味での話題なのですが・・・。Prospectという雑誌のサイトでNigel Warburtonという人が、「哲学の隠れた恥部」(Philosophy’s hidden shame)という短いエッセイを書いて、Nick Griffinの当選について語っています。結論からいうと、人種差別主義のBNPのような政党をアホ呼ばわりすることは容易なことではあるけれど、ことはもう少し深刻だ(the truth is more disturbing)とのことです。

Nick Griffin党首は、ケンブリッジ大学出のインテリなのですが「人種差別主義という枠から飛び出すことができない人物(he’s unable to think himself out of a racist framework)」であります。このエッセイによると、

我々の多くが、偏見は知性によって駆逐されると考えたがるものであるが、悲しいかな、その考えこそが偏見なのだ。Many of us would like to believe that intellect banishes prejudice. Sadly, this is itself a prejudice.

というわけで、歴史を振り返ってみても知性の旗手のように言われる「偉大な哲学者(great philosophers)の中には結構人種差別主義に凝り固まったようなことを言っている人がいると言っている。例えばドイツのマルチン・ハイデガーは、ナチスの思想である国家社会主義に加担していた。また経験論で知られるスコットランドの哲学者、David HumeはOf National Charactersという自著の序文で「私には、黒人は元来、白人よりも劣っていると考える傾向がある」(I’m apt to suspect the negroes to be naturally inferior to the whites)と述べたりしている。

ヨーロッパ啓蒙主義の代表格である、あのイマヌエル・カントでさえも『美と崇高の感情に関する観察』の中で「黒人は極めて虚栄心が強くておしゃべりであるからして、ムチで叩いて引き離す必要がある」と書き、リベラリズムの元祖のように言われているジョン・スチュアート・ミルでさえも「人種が成熟していないが故に遅れている社会」(those backward states of society in which the race itself may be considered as in its nonage)というような表現をしている。

エッセイの筆者であるNigel Warburtonは、ヨーロッパの「知性」におけるこのような傾向について「彼らが活躍した時代は、それ自体を疑うことがほとんどなかった帝国主義の時代であり、その経済のある部分は奴隷制度によって支えられていた」というわけで、哲学者だけを責めるのはムリかもしれないとも言っているのですが、その一方で

もし「知性」が異なることへの恐怖感を拭うことをしないとなると、何がそれができるというのか。同情心、思いやり、想像力、共通の人間性の認識等々いろいろあるであろうが、「白人優先」を政策に掲げるような政党にはあまり多くを期待しない方がいいだろう。If intellect doesn’t inoculate against fear of difference, what will? Empathy, compassion, imagination and a recognition of common humanity. But don’t expect much of those from a party with a “whites only” policy.

▼Nick Griffinは1959年生まれだから、今年で50才ですね。この人によると「BNPは人種差別団体ではない。単に英国びいきなだけ」(BNP is not a racist organisation, merely pro-British)なのだそうです。

▼世論調査機関YouGovの調査によると、欧州議会議員の選挙でBNPに投票した人のうち61%が男性ワーキングクラスで、3分の1が大衆紙the SunやDaily Starの読者なのだそうです。彼らがどの程度、人種差別主義者なのかというと「黒人は白人よりも知的に劣る」(only 31% think the average black Briton is less intelligent than the average white Briton)と考えている人が31%にのぼっている。これ、かなりの数だと思うけれど、YouGovは"only 31%"と言っています。

▼BNP支持者の7割以上が、「自分たちこそが他の人種に比べて差別されている」(white people suffer unfair discrimination these days)と考えている。これはアメリカでも見られる現象ですね。

back to top
4)このままでは持たない、英国の政治

ちょっと古いのですが、5月24日付のFinancial Timesのサイトに"It is time to update the ancient constitution"という記事が掲載されていました。直訳すると「古ぼけたconstitutionを新しいものにする時が来ている」ということになる。英国の政治改革についてのエッセイで、寄稿したのはオックスフォード大学のLarry Siedentopという教授です。constitutionという英語には「憲法」という意味もあり、このエッセイもそのことを語っているのですが、むしろ「国のあり方」とか「政治制度」という意味にとった方が分かりやすい。

最近の英国では、国会議員が経費の不正請求をしたことが大問題になっていて「政治家に対する信頼の喪失」(loss of confidence in the political class)が叫ばれているわけですが、Siedentop教授によると事態はもっと深刻(more profound)であり、

英国は、社会構造そのものが、昔ながらの政治文化を支えきれないところまで来ているのだ。Britain has reached the point where the structure of society can no longer sustain its traditional political culture.

というわけで、英国の政治制度そのものを根本的に変革する必要がある、と言っています。

英国にはアメリカや日本のように、文章で書かれた成文憲法(codified constitution)というものがありません。政治は「基本法」(fundamental law)ではなく、「前例」(precedent)とか「共通の認識に訴える」(appeal to "common sense")ことを基盤として行われている。

それがこれまでの政治のやり方であったわけですが、いまや「共通の認識」というものが昔ほどには当たり前のこととして存在しなくなっている。政治家と呼ばれる階級(political class)を生み出してきた「姿勢」(attitudes)や「習慣」(habits)が、国民的な合意形成の役に立たなくなっており、従来の政治のやり方は解体されざるを得なくなっている、と教授は言っている。

一つの例として教授が挙げているのが、政治における中央集権体制です。マーガレット・サッチャーが首相になって、いろいろな「改革」が行われた中で、特に目立ったのがロンドン市議会の廃止だった。誰が首相になっても、東京都議会が廃止されるなどということは考えられないですよね。それがロンドンではあった。Siedentop教授によると、英国における地方自治が依って立っている基盤は「礼儀」(good manners)とか「共通認識」(common sense)などと言われるものであり、基本法(fundamental law)のようなものではない。現在の英国の政治制度は、地方自治体を中央集権化から保護するようにはできていない(ritish constitution offers no adequate safeguards against centralisation)のだそうです。

昔ながらのやり方が行き詰っているのは地方政治だけではない。中央政府においても、いわゆる権力の分離(separation of powers)が形の上では存在していても実際には行われていない。Siedentop教授によると、政治改革のために19世紀に作られた法律によって、内閣が下院を支配し、その内閣を首相が支配するという政党システムを生み出した。つまり立法府に対する行政府の支配が強すぎる制度になっているというわけです。三権分立のなかで、かろうじて司法のみが、中央集権の流れに逆らっているのが現状であり、「現在の民主主義国で英国ほど中央集権が進んでいる国をさがすのが難しい(It is now hard to think of a democratic political system more centralised than Britain’s)」と教授は言っている。

では昔のようなattitudesやhabitsやcommon senseなどを基盤にする政治ができなくなった社会構造の変化とは何なのか?

教授がまず挙げるのが階級制度の崩壊です。いろいろと問題はあったにせよ、階級制度は権力の集中を許さないような「確信と富(confidence and wealth)」つまり特権階級の存在を可能にしたことは事実であり、このような階級が地方政治を支配し、中央からの支配を許さなかった。地方政府が単なる中央政府の出先機関となることを許さなかったわけです。英国が階級社会でなくなるに従って中央集権化が進んだというのも皮肉な話です。

英国の政治制度は「憲法」(constitutional law)の条文ではなく、「習慣」(manners)によって成り立っていたのですが、議会というものが特権階級ではなく、よりモデスト(普通の)な人々によって成り立つにようになると同時に議会に対する首相の支配が極めて強いものとなった。

階級制度の崩壊とともに英国の伝統的な政治制度が成り立ちにくくなっているもう一つの理由として移民の圧倒的な増加がある。社会が「多文化」的なものになることで、かつては通用したcommon senseが存在しにくくなった。明確な規準の枠組み(normative framework)というものが存在しにくくなった社会においては国民的な合意を作り上げるのもかつてほど簡単ではない。

英国にとって問題なのは、規準が破られるということではない。規準そのものが存在しないということなのだ。Britain’s problem is not so much the violation of norms as their absence.

教授によると、移民の増大でcommon senseに基盤を置く政治が難しくなっているとすると、EUの加盟国であるということが、「古ぼけた政治制度の棺桶に最後のクギを打つ」(Membership of the EU has been the final nail in the coffin of the ancient constitution)ものになる。「前例」だの「共通の認識」だのという目に見えない規準を基盤にする英国流の「慣習法文化」(common law culture)を合理的なローマ法のヨーロッパ大陸文化に統合することは難しい。ドイツの場合、成文化された「ドイツ憲法裁判所」の権限が存在しており、EUの法律が国内法を縛ることに制約を設けているけれど、英国には成文憲法が存在しないので、EU内での自己主張がやりにくくなっている。

Siedentop教授は、英国には新しい政治制度(a new constitutional settlement)が必要であり、その制度の中には「英国人権憲章」(a British charter of rights)が含まれなければならないし、行政府(首相)が余りにも立法府(議会)を支配することを困難にするような「真の二院制度」(serious bicameralism)を作ることなどが含まれる、と言っています。

古い政治制度はその時代には素晴らしいものであったが、いまでは生命を終えている。古い制度によって自由な国民の姿勢や習慣が生み出されたかもしれないが、いまではそれが足かせになっている。The ancient constitution was a wonderful thing in its time. But its time is over. It created the attitudes and habits of a free people, but it is now undermining them

教授によると、いま英国が直面している問題は、この国がこれまで得意としてきた「少しずつ変える(piecemeal reform)」というやり方では不十分で、英国は新しい国のあり方を確立する必要がある(Britain needs a new constitutional settlement)のだそうであります。

▼Siedentop教授のさして長くもないエッセイを日本語で説明するのは、私の能力では非常に骨が折れます。理由は簡単で、何となく分かるけれど本当に分かっているという自信がないということです。例えばconstitutionを「憲法」と考えてしまうとなんだか分からなくなる。それからcommon senseという言葉も「常識」という日本語にしてしまうと、ちょっと違う感じになる。教授はsense is no longer commonというような言い回しをしている。commonとsenseを別々の言葉として考えている(ように見える)。つまり「共通認識」という日本語の方が近いのではないかと・・・。

▼生煮えの知識のままSiedentop教授のエッセイを紹介するのはよくない、と我ながら思うのですが、ひとつだけはっきりしていることがある。それは現代の英国では、はるか昔から続いてきたいろいろなもののやり方が行き詰り状況にあるということで、それをお伝えするために無理なことをやってみたということです。特に面白いと思うのは、社会的な変化の底辺に階級制度の消滅があるという指摘です。そしてその階級制度こそが英国の民主主義を誕生させたのだという指摘です。

▼私の紹介ではよく分からないと思われる方は、申し訳ありませんが、教授のエッセイそのものをお読みください!

back to top

5)どうでも英和辞書
A〜Zの総合索引はこちら

anxious:不安な、心配な

心配症のことを英語でanxious mindというのだそうですね。昔、三遊亭円遊という噺家が、心配症の人は「こうやって歩いていても急に道路が割れて落ち込むんじゃないか」とか「空が落ちてきたらよけようがない」などということを心配すると言っていましたね。道を歩いていて、向こうからお腹が大きな女の人が歩いてくるのを見ると、もういけません。「あれで妊娠何か月かなぁ」「生まれてくるのは男かな」「男だとすると名前は何にするのか」など、心配でおちおち歩いていられなくなるんだそうです。


millionaire:百万長者

2007年の時点で英国には489,000人いた百万長者が、今年5月末では半分以下の242,000人にまで減ったのだそうです。 Centre for Economics and Business Research (CEBR) という機関の調べによるもので、この場合の「百万長者」は、銀行口座に百万ポンド以上持っている人という意味です。主として不動産価格の値下がりが理由。Guardianによると、金持ちのシンボルと言われる高級車、Bentleyの売り上げは昨年比で66%、BMWは35%のダウンだそうです。百万長者の上は億万長者(billionaire)でありますが、恒例のSunday Times紙の長者番付によると、英国には今年で43人いるのですが、これも昨年は75人もいた。 英国一の金持ちはというとインド人のLakshmi Mittalというお方ですが、現在の財産は108億ポンド。何やらとてつもない数字でございますが、昨年比で169億ポンドの減少ということです。円換算ですか?1ポンド=160円のレートで自分で計算してください。


underground:地下鉄(英)、地下道(米)

英語だの米語だのについて区別することが好きな人が例に出すものの一つがこれ。ちなみに米語のsubwayは英国では「地下道」という意味になるのだそうです。全く関係ない話題ですが、1863年に世界初の地下鉄として走り始めて以来、ロンドン地下鉄で赤ちゃんが3人誕生しているのだそうです。最初は1924年、Bakerloo lineの車内で、2番目がぐっと最近で2008年にKingsburyという駅で、そして最も直近が今年(2009年)の5月27日、London Bridgeという駅の事務室で生まれたのだとか。Evening Standard紙に出ていました。

back to top

7)むささびの鳴き声

▼東国原・宮崎県知事が自民党から立候補するについて「総裁候補にしてくれるのなら」という条件をつけたとかということで、大騒ぎになって、いまどうなっているのか(私には)よく分からないけれど、自民党の内部からは、この人に対するかなりの反発があると伝えられてはいますね。例えば、出馬要請を受けた東国原さんが「自民は新しい血液に入れ替えた方がいい」と発言したことについて、自民党の伊吹文明元幹事長が「型が合わない輸血をしたら死んでしまう」と述べた。それに対しては東国原知事が「そんなことだから自民は変わらない」と反論した・・・とインターネットのニュースが伝えています。この「反論」が行われたのは昨日(7月4日)のことらしい。

▼つまり、この人が自民党から立候補するという可能性が消えたわけではないってことですが、それにしても、伊吹さんを初めとする自民党内の「東国原拒否症」の方々の根拠な何なのですかね。「たかだかコメディアン上がりの県知事ごときが、総裁候補にしろとは何事か!」ということですか?でもレーガンがカリフォルニア州知事から大統領選挙に立候補したときに「ハリウッドの三流俳優のくせに」と言われたけれど、それなりに歴史に名を残す大統領になったわけですね。石原慎太郎だってもとはといえばただの小説家だったし、横山ノックも・・・。

▼ひょっとすると、自民党の中でも「プロ」を自認する方々からの拒否反応が強いってことかもな。伊吹さんは政治家の二世ではないけれど、もとはお役人だから、世の中のことを考えることを仕事にしてきたという自負があるのかも?コメディアンだのテレビタレントなどとは違うんだ、ということですね。しかし東国原さんだって、30万人くらいの人々の支持を得て宮崎県知事に就任しているのだから、「たかだかコメディアン」とは言えない。

▼それにしても東国原さんや大阪府知事だけが、こうもメディアに取り上げられるのでしょうか?テレビ・メディアの人たちには「仲間」という感覚でもあるのかもしれないな。たぶん私はこの人たちには投票はしないでしょうね。さしたる理由はないけれど、おそらくメディアで受ける人=たいした人ではないだろう、という思い込みがあるのでしょう。

▼英国の政治がこのままでは続かない、とオックスフォードの先生は言っています。日本の政治については、同じようなことが、もう40〜50年言われていると思うけれど何も変わらない・・・ように見えるけれど、実は確実に変化しつつあるのではありませんか?小泉さんが「自民党をぶっ壊す!」と言ってから約8年、こういうことだったのか・・・。

back to top



←前の号 次の号→

messages to musasabi journal