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美耶子の言い分 美耶子のK9研究 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書
musasabi journal
第135号 2008年4月27日

   

長野の北京五輪聖火リレーですが、あの青い服の中国の警護隊は二人しかいませんでしたね。ロンドンにはわんさか現れたのですよね 。その件について質問されたリビンストン市長(現在選挙運動中)は「あんな人らが来るとは聞かされていなかった。知 っていたら受け付けなかった」と言っております。長野のリレーが海外でどのように報道されたのか知りませんが、 インドみたいに誰も見物人なしとか、オーストラリアのように防護壁の中を走るとか、サンフランシスコのようにコ ース変更のだまし戦術でもない。チベットの人たちもそれなりにメッセージ発信ができたし・・・ロンドンやパリと同 じ程度に良かったんじゃありませんか?やっぱ日本人は違う!


目次

1)可笑しいけど悲しい?ロンドン市長選挙
2)チベット問題:在英中国大使の言い分
3)中国の「全球化」
4)英国の社会悪トップ10
5)小田実さんと受験英語
6)短信
7)むささびの鳴き声

1)可笑しいけど悲しい?ロンドン市長選挙


来る5月1日にロンドンの市長選挙が行われます。候補者は全部で10人ですが、主なる候補者は労働党系の現職、Ken Livingstone、保守党国会議員のBoris Johnson、それから自民党系のBrian Paddickと、いずれも男性の3人。Brian Paddickは、元ロンドン警視庁の警官だった人で同性愛者だそうで、The Economistなどは「真面目でルックスはいいが勝ち目はない(earnest and personable but has no chance of winning)と言っている。最近の新聞による調査でもLivingstoneが45ポイントでJohnsonは44、Paddickはわずか9%という具合で、事実上、LivingstoneとJohnsonの争いに絞られています。

ただ今回の選挙について、The Economistは「可笑しいけど悲しい(funny but sad)選挙」と呼んでおり、かなり冷めたコメントを掲載している。まず現職市長への対抗馬であるBoris Johnsonですが、保守派のマガジンThe Spectatorの編集長であり、ユーモア感覚もあるけれど、ロンドン市長としてやる気や能力があるのかどうか疑わしい。そもそも立候補したときにも「担ぎ出された」という感じだったとのこと。この人が選挙公約の一つとして掲げたのが、防犯対策の一環として、ロンドンのバスに車掌を乗務させるということだったのですが、そのためのコスト見積もりが全く外れていたりして批判されている。

一方のLivingstoneですが、市長になったのが2000年、今回で3期目に挑戦です。The Economistによると、ロンドンにクルマで乗り入れる人から渋滞税を徴収するなど「ほんの少しだけためになることをした」(he has made some useful marginal contributions)のは確かであるが、市長という立場にありながら外国の要人、それも南米のワンマン政治家やファナティックなイスラム教指導者のような人たちと親交を結んだりして、まるで首相のような振る舞いをする。The Economistは「Livingstoneはロンドン市長ではなく首相になりたかったのだ。それがありありとわかってしまうような振る舞いをする(he wanted to be prime minister at least and it shows)」というわけで、この人の誇大妄想は、ロンドンのような偉大な都市の市長にふさわしくないと批判的です。

知らなかったけれど、ロンドン市長選挙のやり方は、ちょっと変わっているんですね。投票用紙には候補者名を記入する欄がfirst choiceとsecond choiceの二つある。first choiceは、一番市長にしたい人物を書き、first choiceが落ちた場合はこの人にしてくれ、というのがsecond choice。開票の結果、現職のLivingstoneが市長選の投票総数の過半数を獲得すればそれで決まり。過去2回の選挙はそうだった。しかし過半数が獲得できなかった場合はトップ2者の争いとなる。今回は間違いなくLivingstoneもJohnsonも過半数がとれない(と言われている)。

そこでどうするのかというと、全ての投票用紙のsecond choiceにこれら二人の名前があった場合、これをfirst choiceの得票数に加えて数えなおし、多い方が市長になる。万一、この時点で同じ得票数だった場合は、ロンドン市選挙官(Greater London Returning Officer)なるお役人がくじ引きをして決める。

▼再投票という面倒なことをやらずに最初からsecond choiceを記入してもらうというのはいいアイデアですな。ところで英国(England)の場合、「市長」(mayor)と呼ばれる人が、選挙による投票で選ばれることは殆どないってのは、申し上げたことがあります。ウィキペディアによると、現在、市長が選挙で選ばれるのは13都市だけ。あとは市議会議員選挙で多数を占めた党から「リーダー」が選出されるという、間接民主主義のシステムになっています。

▼Livingstoneはなにやら東京都知事と似ていなくもない。違いは、石原知事が自民党よりも右翼であり、Livingstoneは労働党左派で「アカのケン」(Red Ken)というのがニックネームだったってことか。それからこの人、最初に市長になったときは「一期しかやらない」と言っていたのですよね。Boris Johnsonは日本でいうと誰なのか?テレビの政治番組を司会して、ジャーナリストなのか政治家なのかよく分からないという「あの人」かな?

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2)チベット問題:在英中国大使の言い分


ロンドンとパリで北京五輪の聖火リレーが混乱したことについて、4月13日付けのDaily Telegraphが、駐英中国大使のFu Yingという人の寄稿文を掲載しています。全文(結構長い)はここをクリックすると読むことができますが、私は次の2ヶ所が彼女のメッセージのポイントだろうと思います。

  • 私は問わずにいられない。何故、中国というと一般化した非難が簡単に受け容れられてしまうのか?と。誰もそれらの非難の意味をはっきりとたずねようともしないのだ。事実によるサポートもなしに、何日もの間、中国についてのストーリーや数字がニュースで流され続けるのか?
    I cannot help asking why, when it comes to China, the generalised accusations can easily be accepted without people questioning what exactly and specifically they mean; why any story or figures can stay on the news for days without factual support.

中国と聞いただけで、非難の対象になってしまうことへの苛立ちですね。チベット問題についての西側メディアの扱いについても次のように不満を述べています。

  • (中国とチベットの間には)宗教が政治と絡んで複雑な問題となっているかもしれないが、チベットの人々は食料も十分だし、着ているものもいいものだし、住宅だって立派なのだ。こうしたことが、何世紀にもわたる中国の主なる目標であったのだ。チベットは中国東部の都市のように工業化することはないかもしれないが、中国のほかの部分と同じように発展を続けるであろう。
    There may be complicated problems of religion mixing with politics, but people are well-fed, well-clothed and well-housed. That has been the main objective of China for centuries. Tibet may not grow into an industrial place like the eastern cities in China, but it will move on like other parts of China.

一方、BBCのサイト内にある投稿コーナーを読むと、五輪聖火とチベットの関連した書き込みがたくさんあり、中国人も数多く意見を寄せています。英語の間違いなど関係なしで意見を述べています。例えば・・・

  • 西側のメディアがなんと言おうと、漢民族とチベット人はいまや兄弟姉妹なのだ。かつては中国の56もの民族が数千年にもわたって敵対していたが、いまや我々は一つの国。キミの国はボクの国、ボクの国はキミの国というわけで戦う必要などないのだ。私は地球上のみんなが団結した、我々共通の母なる地球を守る時代がすぐにやってくると思う。
    No matter what the western media said. Han Chinese and Tibetan are brothers and sisters. Before the 56 ethnic groups in China were enemies to each other for thousands of year. Now but once we become one country, your land is mine, my land is yours, no need to fight any more. Actually, I believe very soon the earth residences would finally unite together in order to save our common mother--the earth.
  • チベット人の平均寿命は過去50年間におよぶ中国の支配下で37才から65才にまで伸びたのだ。世界中のどの政府が少数民族に対してこのようなことをやったことがあるか。他に例があったら教えてほしいものだ。できないのなら黙っていろと言いたい。他のいろいろなことで中国政府を批判するのは構わないが、この問題だけは許せない。アンタらの国で少数民族、特に移民たちがどのような扱いを受けているか。
    The average life span of Tibetan people has increased from about 37 to 65 in the past 50 years under the rule of China. Please give me any other example around the world, any government has acheived something like this for a minority group. If not, please just shut up. You can critize China's government on many other things, but not on this. Think about it, how minorities, especially those illegal immigrents, are treated in your own country.
  • 英国の友人が私に言ったものだ。中国は民主主義にならなきゃだめだ。たとえその過程において人が死んでも、というわけだ。私は西側の幸せや自由に対する考え方がわかるような気がする。イラク人はいまや選挙ができるではないか、たとえ投票所に行く途中で殺されるとしても・・・ということだ。しかし私には賛成できない。大多数の中国人同様、私も食料、住宅、安全、安定が言論の自由より大事だと思う。
    An English friend told me that China must reach democracy, even if it means people will die during the process... I appreciate Western ideology of happiness and freedom - Iraqis can now vote, it doesn't matter if they die on the way to the voting stations... But I disagree, like majority Chinese, I see food, shelter, safety and security above freedom of speech.

▼「言論の自由より衣食住の充実が大事」というこの意見はまさに社会主義そのものですね。理論的には否定できないと(私は)思います。が、本当にこの人が言うほど、(例えば)チベット人たちは衣食住が足りているのか?それから、自由と衣食住は現実的には、「同時に」事足りる必要があるものだと思います。

▼要するに、在英中国大使の投稿もBBCへの書き込みも、チベット人の物質的な意味での生活は良くなったんだから、一応文句はないだろうということです。だからチベットで暴動を起こして輩はどは、ゴロツキに決まっている・・・と。それと彼らが気にしていて、アタマに来ているのが、西側のメディアの「偽善」ということのようですね。自分たちの社会にある差別のことは言わずに中国人に教えを垂れるとは何事か、というわけです。

▼チベット人の平均寿命は長くなったし、住まいだって良くなったかもしれないけれど、死者まで出す暴動が起こるということは、どこかがおかしいからだ、ということには思考が回らないってこと?中国人なりに被害者意識でいっぱいだってことですね。それとやはり西側のメディア(に代表される欧米の人たち)の言うことは大いに気にしているってことでもある。

ところで『愛国経済』(次の項目参照)の吉岡桂子さんは本の中で「日本人は殆どメッセージを発信しない」と言っています。BBCのこの問題についての書き込みに、私が忍耐強く見た範囲で、たった一件、日本人(と思われる人)による次のような書き込みがありました。お名前はMakio Terauchiとおっしゃいます。

  • ドイツ人、フランス人、英国人らに言いたい。開会式だの閉会式だけではなく、五輪そのものをボイコットしてはどうですか?もう何世紀も前に中国を侵略したヤツらが、相変わらず中国に干渉するというのは、中国にとっては不幸なことである。しかし中国人にとって幸いなのは、それらの(西欧の)国々は単に口が達者なだけってこと。
    To Germans, French and British, Why don't you completely boycott the Game, not just only the opening/closing ceremonies? It is unfortunate for China that those who invaded them centuries ago are still interfering with them. But it is fortunate for China that those countries only have big mouth at best.

▼この日本人と思われる人の意見を皆さんはどう思いますか?この人なりに欧米の「偽善」を批判したかったのではないかと思うのですが、一方で五輪ボイコットを言いながら、もう一方で「でかい口叩きやがって、ボイコットするだけの根性もないくせに」と言っている。さらに「中国国内のことにくちばしを挟むな」とも言っている。根性なしが悪いといいたいのか、内政干渉が悪いと言っているのか?自分の立場をはっきりさせないで、何事も他人事のような、それでいて妙に挑発的な言い方をする。結果として何を言っているのか分からない。

▼私、So, where do you stand? Would you seriously like to see the Olympics boycotted? (で、アンタの意見はどうなのさ?)という投稿をしようと思ったら、このディスカッションは「もう終わり」だった。それはともかく、日本人はメッセージを発しないというのは本当かもしれない。私も億劫だもんね。でも、中国人みたいに、長野で聖火リレーがあるというと日本全国から「愛国留学生」が大挙して押しかけるというのは気持ち悪い。 ほかにやることあるんじゃないの?

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3) 中国の「全球化」


吉岡桂子という新聞記者が書いた『愛国経済:中国の全球化』(朝日選書・1400円)という本は、「経済」というアングルから今の中国を紹介しているのですが、グラフの類はいろいろと出ているけれど、抽象的な数字がズラズラ並んでいる本ではない。

2003年の春から2007年の夏までの4年半、吉岡さんが朝日新聞の特派員として上海や北京に滞在する中で、会った中国人、話を聴いた中国人の言葉や生活ぶりを通して現代の中国を紹介しています。何せ4年半で中国の内外40万キロ(地球10周分)を旅して取材した結果としての書物(344頁)だから、手短に紹介なんて私にはできっこないけれど、あくまでも具体的な人々が喜んだり、怒ったり、悩んだりしている国としての中国が活き活きと伝わってきます。

私が面白いと思った「言葉」を幾つか挙げてみます。

  • 自由平等を認めないマルクス主義は事実上壊れている。<中略>改革・開放によって、本来なら思想、民主、自由、法治も一緒に入ってこそ、市場経済が進む。市場経済の基礎は、そこにある。これなしで競争すれば、強い者、権力を持つ者が勝ち、儲ける特権経済が生まれる。

1929年生まれの経済学者の言葉です。吉岡さんによると「(中国が社会主義経済から)市場経済へ移行するなかで、歴史や現実の政治、社会制度を踏まえて、よりよい経済の処方箋を書こうと格闘する人々」の一人です。

▼この学者の言葉で面白いと(私が)思うのは、一方で「マルクス主義は壊れている」としながら「共産党の統治下で経済は基本的によくなっている。それだけ見ても共産党は非常に大きなよいことをしている」と言っているということ。でも、いまの中国は、自由とか法の支配に基づいた「本当の市場経済」ではなくて「特権経済」だというわけです。

そこで吉岡さんが「ずっと胸に抱えている疑問」をぶつける。特権経済の中国が10年以内に日本を追い抜き、30年以内にアメリカも追い抜いて世界一の経済大国になる。そうなると世界中が、「特権経済の中国」の影響下に入るってことになるのか?ということです。それに対するこの学者の答は明快だった。

  • 中国が変わらなければ、米国を追い抜いて世界一の規模の経済にはならない。ここ3年から5年のうちによい市場経済に向けた方向へ、舵を切りなおさなきゃ。

この先生によると、いまの中国では共産党や政府幹部がどのくらい収入や資産があり、どのくらいの税金を納めているのかが秘密。「中国の影響を受けて世界中がそうなるかね」と笑っていたそうです。

▼つまりこの先生が描いている「よい市場経済」のイメージは、ヨーロッパのような緩やかな社会民主主義ってことなのでしょうか。いずれにしても、ロシアでも中国でも、カール・マルクスが描いたような図式で、共産党の集団指導体制による計画経済で社会全体の経済的なパイが大きくなり、ついには階級のない「本当の共産主義」が実現することはなく、計画経済は特権経済に繋がってしまったということですかね。

  • 中国では新たに金持ちになった層は権力とむすびついてうまい汁を吸った人が多い、豊かさが知識や教養と必ずしも結びついていない。中間層が力を持つには、もう少し時間がかかる。

戴晴(タイチン)という環境保護の活動家の言葉。環境保護のような市民活動は、吉岡さんも言うように、大体において中産階級のインテリが中心になるものですが、戴晴さんは「過度な期待を寄せていない」というわけで、出てきたのが上のコメントです。それでも、中国の学生たちはNGOやメディアと連携して、小さな活動を積み重ね、政府と真っ向から対決せずに「現実的によくやっている」とのことです。

▼戴さんが取り組む市民活動の部分、私自身も思い当たります。1960年代終わりから1970年代の初めにかけてだったと思うけれど、それまで社会活動というと、ごく少数の宗教関係者は別にして、過激な学生たちが勇ましくやっていたのに代わって、「市民活動」なるものが出てきた。小田実さんらのベトナム反戦運動などがそれで、「とりあえずできることからやろう」という運動になってきた。「所得倍増計画」だのなんだのということで、日本人がリッチになり始めたころのハナシです。ただ日本では、「新たに金持ちになった層」が「権力と結びついてうまい汁を吸った」とうようなことがあったかどうか・・・。

戴晴さんは「学生たちはよくやっている」とは言うものの、中国の環境保護には必ずしも楽観的ではない。彼女のコメントの「もう少し時間がかかる」の部分がそれで、彼女たちがゆっくりやっている間にも環境破壊や資源の浪費は進んでいる。自分たちのペースで、それらの変化の速度に間に合うのかどうか・・・ということであります。

吉岡さんによると、戴晴さんは、父親を日本軍に殺され、母親は日本軍に殴られたという生い立ちの人なのですが、次のようにも語っている。

  • 中国の知識人として私がすべきことは、日本を恨み続けることではないわ。自国の問題点をきちっと見つめて、よい国にしていくことなのです。

戴晴さんは元は新聞のコラムニストとして有名だった人で、1989年に治水、発電、環境保護などをテーマにした本の出版に編集者とかかわったのですが、政府批判も含まれていたので発売禁止、天安門事件で学生の側に立ったというので、投獄、それからアメリカへ渡り、ジャーナリストとしても活躍した後に中国へ帰ってきた人です。

  • あなたたち、どのくらい日本のこと知って、デモやってるのよ。へらへらしながら石投げないでよ!自分の政府に向かってはデモ一つできないくせに・・・。

これは『愛国経済』の著者自身の言葉です。尤も口に出して言ったのではなく、心の中で大声で叫んだものであります。北京で遭遇した反日デモに対する著者のリアクションです。あのデモが政府の主導によるものだったのか?吉岡さんは「中国政府は事前に知っていながら止めなかった」と思っていたのですが、ロシア人の中国専門家に「国家主導に決まっているでしょ。共産主義の国とはそうしたものです」と笑われたのだそうです。吉岡さんによると、中国では政府がメディアを管理しているという部分が強いので、政府のさじ加減で「反日デモはいつでも起こりうる」のだそうです。権力との関係でいうと、中国人の行動の基準は損得ずくであり、

  • 権力の意向に反した行動をとることで自分が損をするなら、日本に腹が立ってもデモには繰り出さない。逆にいえば、自分に「損」が及ばないなら、あるいは「得」をするなら、日本がそれほど嫌いでなくても、日ごろの不満をはらそうと街に繰り出す血気と時間がある若者はいくらでもいる、と思ったほうがよい。

    ▼反日デモがあったときに、日本のメディアに登場した識者やThe Economistのような西欧のメディアの意見として、日本が自らの過去を清算していないということに原因をもとめる声もあったように思うのですが、実際のところ、日本の首相が靖国に行こうが行くまいが、反日デモは起こるかもしれないってことでしょうか?

    ▼そういえば、五輪の聖火リレーがパリでトラぶったことが原因で、中国国内のフランス系スーパーのカルフールが不買運動にあっています。それが最近になって人民日報などがデモ隊に対して「自制」を呼びかけたり、連行するようなことも起こっている。これも政府がけしかけて、政府が自制を求めている・・・つまり全て出来レースということ?

『愛国経済』には、反日デモでショックを覚えながらも、吉岡さんなりに考える日中関係のあり方が書かれている部分があるのですが、それを紹介すると余りにも長くなるので、ほんのちょっとだけ紹介させてもらうと、日本も中国も「自国内に抱える問題を着実に解決していくこと」が何よりも大事だということです。日本の場合は、高齢化社会だの地域格差だの食料の自給問題だの問題の解決を先送りばかりしていると、生活が豊かでなくなり、不安・不満が蓄積し、挙句の果てに台頭する中国を悪者扱いして不満の捌け口にしようってことになる。中国についていうと、世界での存在感が大きくなっているわりには、そのことが与える課題に対応できるような準備が精神的にも制度的にも追いついていっていない。「それが反日デモのようなゆがんだ愛国として表現される」というわけです。

▼反日デモのときに、日本の新聞(毎日新聞だったと思う)のコラムに、中国で理不尽な反日行動があるからと言って、我々(日本人)も同じような行動(感情的な反中国行動)をすることは避けなければならない。日本は道義を守る国であることを示さなければならない、というようなことが書かれていたと記憶しています。吉岡さんの本にも、中国で試合をした日本の女子サッカーのチームが、反日的なブーイングにさらされたにもかかわらず「ARIGATO 謝謝 CHINA」という垂れ幕を掲げた話が出ていました。

▼中国の反日デモが政府がけしかけたもので、けしかけた政府がデモの行き過ぎを警戒するという矛盾したことになっているようですが、日本における反中国感情がメディアによってけしかけられているという部分はないのか?ことは中国だけではなくて、いろいろな部分でメディアが日本人の「怒り」をけしかけているということはないのか?政治家はくだらん、官僚はけしからん・・・テレビで流行の激論番組などを見ていると、メディアの側は、自分らたきつけた「怒り」の行き着くところにどこまで責任を負うつもりと能力があるのか、不安になってくる。

▼『愛国経済』は、学術本ではないので、索引もないし参考文献リストの類もない。著者が、自分の見たこと、感じたことを報告しているものであり、しょっちゅう記者自身が顔を出します。お陰で内容は中国経済という硬いものであるにもかかわらず、極めて人間臭い本になっています。そういえば、サブタイトルにある「全球化」は中国語で「グローバリゼーション」のことだそうです。

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4)英国の社会悪トップ10


社会政策の提言を行っている英国のJoseph Rowntree Foundation (JRF)という組織が「現在の英国における"社会悪"(social evils)と思われるものを三つ挙げてください」というテーマでネットを通じて答を募集したところ、約3500人がこれに応募、トップ10として次のような事柄が挙げられていました。

1)コミュニティ感覚の崩壊The decline of community
2)個人主義・利己主義Individualism and selfishness
3)消費欲と物欲Consumerism and greed
4)価値観の欠如A decline of values
5)家庭崩壊The decline of the family
6)若者たち(犠牲者・加害者として)Young people both as victims and perpetrators
7)麻薬とアルコールDrugs and alcohol
8)貧困と不平等Poverty and inequality
9)移民とその対策Immigration and responses to it
10)犯罪と暴力crime and violence

"社会悪"(social evils)というと言葉がきついようですが、要するに「"困ったもんだと考えられる事柄」という程度のことのようです。いずれにしてもそれぞれの「悪」が相関関係にあることが分かる。「コミュニティ感覚の崩壊」と「利己主義」は、どちらが原因でどちらが結果なのか分からないけれど関係はある。「家庭崩壊」「貧富の差」なども関係してくる。ただこれらの諸悪をつなげる共通項として「かつては存在した共通の価値観が失われるとともに道徳上の指針が失われている」が挙げられる、とJRFは報告しています。

「価値観」だの「道徳」だのというと、どことなく中流階級の感覚のように思えますが、JRFでは今回の調査には「普段が余り声を上げない人々(ホームレス経験者、黒人、失業者等々)も意図的に巻き込んだとしています。

戦後の英国史の中で、マーガレット・サッチャーの登場は画期的な出来事だったと(私は)思うのですが、興味深いと思うのは、1番の「コミュニティ感覚」はサッチャーさんが「復活」を叫んだものであるし、2の「個人主義・利己主義」と3の「物欲」は、彼女が「悪くない」ものとして挙げた事柄であるということです。

サッチャーさんの有名な語録が三つある。

1)この世に社会なんてものはない(There is no such thing as society)
→「社会」はないけれど「コミュニティはある」というのが彼女の言い分だった。

2)欲張りは悪いことではない(There is nothing wrong about greed)
→一人一人が努力して金儲けをすることの何が悪いのかという意味。

3)個人主義はキリスト者としての使命だ(Individualism is a Christian mission)
→ 個人の責任が大切という意味。

サッチャーさんが首相になったのが1979年、10年にわたる首相の座を降りたのが1990年末のことだった。辞めたくて辞めたのではない。人頭税という税金が不評を買い、悔し涙にくれながら首相官邸をあとにした。小泉さんのように「任期切れ」とか「惜しまれながら」辞めたというのではない。

で、最初に挙げた10件の社会悪の多くがサッチャー革命の遺産であるといえると思うのですが、その一方、いまの英国人の間におけるサッチャーさん対する評価は非常に高いものがある。少なくともブレアさんよりはるかに尊敬度が高い。矛盾のように思えるのですが、これはどのように解釈すればいいのか?

私自身は、これらの社会悪の中に「失業」という項目が入っていないことは注目に値すると思います。近いものとして「貧困と不平等」が入っていますが、それでも順序としては7番めと低い。

この調査自体が「いまの英国社会の問題点は何か?」という問いかけに対する答を募集するものであったわけで、「良い点は何か?」と問うたわけではない。つまりこの調査に応募した3500人は「あえて問題点を挙げるとすれば・・・」という感覚で答えたのではないかと(私は)想像するわけです。考えてみると、個人が尊重されながらもコミュニティ感覚に満ち満ちており、皆が善悪の価値観をしっかり持ち、家庭はどれも暖かくて安定している・・・そんな国や社会がこの地球上にあるわけない。

ところでJoseph Rowntree Foundation では、約100年前の1904年にも同じような調査をしており、そのときに挙げられたSocial evilsは1)貧困、2)戦争、3)奴隷、4)飲酒、5)麻薬貿易、6)不純行為、7)賭け事などであったそうです。

▼いまの日本におけるsocial evilsを三つ挙げろと言われたら、アナタなら何を挙げますか?私ですか?えーっと、1番が画一主義、2番は民間放送のテレビ番組ときて、3番目は懐古主義・・・かな?

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5)小田実さんと受験英語


亡くなった作家の小田実さんが『日本の知識人』(1969年・筑摩書房)という本の中で、彼が予備校の英語教師をしていたときの経験談を語っています。おそらく30才も前半のころのことだと思います。予備校生に英語を教えていたわけですが、英作文をやるときの教え子たちに共通の傾向について述べている。

その傾向の一つに、IとかYouとかWeのような主語を使うことが少なくて、「ここではすき焼きが食える」という日本語を英訳するのに、It is possible that we should eat Sukiyaki hereと言ったりすることもあったらしい。「そろいもそろって、なぜWe (You) can eat Sukiyakiという言い方をなぜできないのか」と小田さんは嘆いている。

もう一つの傾向として、There is...とかThere are...という言い回しが好まれるということがあったそうです。例えば「パーティーを開く」という日本語を英語で言うのに、We will have a partyと言わずにThere will be a party for usという文章を書く。主語がはっきりしないので、「誰が誰のパーティーを開くのかよく分からず責任の所在がぼやける」というわけです。

このように「自分のことをあたかも他人事のように叙述する」ことについて、小田さんは

  • これは、日本語の文章の主語がはっきりせず、したがって往々にして責任の所在が明確でない思考方法にふさわしいものであるのかもしれないが、国会の政府答弁からインテリの論議、新聞記事にいたるまで、そうした例にみちみちているようである。

と言っている。

▼たかだか「この食堂ではすき焼きが食える」と言うためにIt is possible that we should eat Sukiyaki hereは確かにとてつもない文章ですね。その当時の「受験英語」ってやつなのでしょうね。

There will be a partyについて言うと、わざわざ「責任の所在」(主語)をぼかして、このような言い方をすることは、英国やアメリカでもありますね。例えば「明日、外務大臣の記者会見があります」というお知らせ文のような場合Foreign Minister will give a press conferenceではなくて、There will be a press conference given by Foreign Minister tomorrowと言うことはある。同じことなのですが、ニュアンスが違う。前者の場合は、外務大臣本人がお知らせをしているという感じになるけれど、後者の場合は、お役人が第三者的に、事実として会見があることを伝えるという印象になる。You are invited to a press conference tomorrow by Foreign Ministerという言い方もある。小田さん流に言うと、誰があなたを招待しているのかがはっきりしない、責任の所在が分からないということになる。

▼しかし、これがパーティーの案内ともなるとThere will be...では、相手に来て欲しいという意欲・意図のようなものは伝わらない。受け取って気持ちのいい招待状ではない(と私は思います)。Mr & Mrs Harumi would like to invite you...と言った方が、主催者のやる気が伝わり「行ってみようかな」という気持ちになる。

次に小田さんが指摘している受験生たちのクセは、「ものごと名詞で考えていこうとする傾向」です。例えば「私は彼の考えを知っている」という日本語を英訳させるとI know his thoughtとなり、「彼の言っていることが理解できる」の場合は、I understand his wordsとなるのだそうです。何故彼らはI know what he thinksとかI understand what he saysとならないのだろう、と嘆いたうえで、小田さんは次のように語っています。

  • それは、事物をその動作の状態、生成の状態でとらえないで、ともすれば、できあがったもの、既成のもの、したがって、変革不可能なものとしてとらえる日本の知識人の思考方法をそのままに示していることではないか。

    ▼知識人たちが、ものごとを動いている状態、変化している状態でとらえようとしないということですね。「アイツの気持ち、わかるなぁ」と言いたい場合、I understand his feelingよりもI understand how he feelsの方が、「気持ち」といううつろいやすい事柄を表現するのには適切かもしれない。

    ▼英語の問題はともかく、インテリと呼ばれる人たちが「既成事実」に弱いという小田さんの指摘については、私も同感であります。出来上がった事実に即して考えようという「現実主義」の行き過ぎが「既成事実追認」の思考方法に繋がっているってことはある。「何のかんの言っても、日本はアメリカなしには生きていけない」とかいう、あれです。

もちろん予備校の生徒に小田さんのような、フルブライト留学生としてアメリカで暮らしたことのあるような人の英語を期待することは無理なハナシであり、小田さんもそれを言っているのではない。予備校生という「未来の知識人」の中に日本の知識人に共通の思考方法の萌芽のようなものがあると言っているのです。

小田さんは、英作文の授業のやり方として、同じ日本語の文章を数人の生徒に訳させていた。

  • 一つのことをあらわすのにいろいろな書き方があるということを示したいし、生徒それぞれの個性を伸ばしたいと思ってのことなのだが、実際のところは、いろいろな書き方があると言っても、生徒の文章には、あまりそおれが見られないのだ。みんなが決まって同じようなやり方で文章を書く。

小田さんの生徒たちの画一的な思考方法は、彼らが過去において受けてきた英語教育の反映であり、「日本の知識人のものの考え方が何ほどかの役割を演じてきた」ということで、「実際、教場で教えていて、私は空おそろしい気になりさえする」と告白している。

▼私の妻の美耶子が、知り合いの主婦数人を相手に英語教室をやっているのですが、新聞の投書欄の文章を配って、英語に直すことをやらせているそうです。彼女が自分の生徒さんたちに分かってもらいたいのは、小田さんと全く同じことで、同じ日本語を英語に直すにもいろいろな英文があり得るのだし、それぞれが正しいのだということです。

小田さんが教えていたのは予備校です。受験戦争に勝たなければ何にもならないと思い込んでいる若者の集団を相手に教えていたわけです。受験戦争に勝つとは、試験に合格するということであり、問題を作成する大学側の先生たちが「正しい」と思う答を書かないと試験には合格しない。その先生方のアタマが、「すき焼きが食える」の英訳はIt is possible that we should…に決まっておるとなっていたのだとしたら、誰だってYou can eatなどとやってバツにされたくないから、いわゆる「正解」を丸暗記することに全身全霊を捧げることになったとしても、生徒を責めるわけにはいかないですよね。

小田さんが『日本の知識人』を書いてから40年後のいま、いわゆる受験英語の世界はどうなっているのでありましょうか?相変わらず、「光陰矢のごとし」という日本語はTime flies like an arrowとやらなければアウトなのでしょうか?私の経験では、「光陰矢のごとし」は、普通にはTime fliesだけだし、Time passes very quicklyだってある。

▼私、自らを省みて、受験英語を否定する気にはなりません。特に私のように勉強嫌いで、アタマもいいとはいえない人間の場合は、「いろんな答がある」などというより、どれか一つだけ丸暗記のほうがやりやすいということもある。それとあの頃習った「受験英語」が今でも役に立っているということもある。しかし受験英語の持つ「正解は一つだけしかない」という性格だけはやっぱり良くない。「弟はボクのことが嫌いだ」という日本語を英語でMy brother don't like meと書いた場合、don'tはXで doesn'tでなければ○ではないというのはよくない。せめて△をあげるべきだってことです。

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6)短信


蝶々が減っている

蝶々の保護団体であるButterfly Conservationによると、今年の夏の英国の気候が昨年のように大雨続きだとすると、ただでさえ英国から姿を消しつつある蝶々にとっては危機的状況になるとのことです。雨が降ると蝶々は飛べない。飛べないと花から花へと蜜を集めるという作業が出来ない。それと雨が続くと蝶々は繁殖も出来ないらしいですね。英国ではこれまでにも蝶々にとって危機的な年が2回あった。最悪だったのは1981年で、この年の夏の平均気温は14・1℃だった。もう一回は1977年ですが、前年に英国は厳しい干ばつに見舞われたそうで、その影響が翌年まで続いて蝶々の数が急激に減ってしまった。寒さであれ暑さであれ、極端な気候に弱いんですな、蝶々は。現在、英国には58種類の蝶々がいる。そのうち55種類は英国に永住しているもので、残りは大陸から飛んでくるものなのだとか。

▼確か昨年の英国はあちこちで洪水が発生して大騒ぎだったですよね。大雨で迷惑をこうむるのは人間だけではないということです。写真はDuke of Burgundyという種類の蝶々で、数が減っているものの一つだそうです。日本でいうアゲハ蝶のようですね。

教会で離婚式

スイスにチューリッヒにあるプロテスタントの教会が最近行っていて受けているのが結婚式ではなくて離婚式。離婚する夫婦が牧師さんの前で離婚の誓いをするという、ただそれだけのことなのですが、結婚生活を始めたのと同じ教会で別れたいという夫婦が結構いるそうなのであります。Frank Worbsという牧師さんは「教会で誓うことによってけじめをつけ、新しい生活に踏み出せると考える夫婦が多い」とのことで「離婚式は結婚が終わったことを神様にお伝えする儀式なのです」と言っています。

▼これはアイデアですね。でも牧師さんは何を言うんですかね。「汝はXX子を妻として愛することを誓うか?」「誓います」というのは結婚式だから「汝はXX子を妻としないことを誓うか?」とか言うんですかね。しないことを誓うってのもヘンだなぁ・・・。

アメリカのガソリン料金と英国人の感覚

英国のPA通信がアメリカにおけるガソリンの値上げについて記事を配信しています。それによると、「アメリカ人はリッターあたり47ペンスに値上がりしたと大騒ぎしているが、アメリカのドライバーが英国のドライバーの同情を買うことはないだろう」と、妙に感情的になっている。47ペンスは日本円で100円以下。英国におけるリッターあたりのガソリン料金は1ポンド(200円)を優に超えると聞くと、PAの記者が感情的になるのも納得がいく。

▼ある日本のサイトによると、昨年(2007年)11月の時点で、英国のガソリン価格はリッターあたり233円、うち150円が税金だそうです。英国のレンタカーって殆どがマニュアル式でオートマは非常に少ない。これはガソリン節約ということかも・・・。

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7)むささびの鳴き声


▼世の中のことに何かと異論を唱えるのは、落語に出て来る頑固なご隠居さんみたいで、かっこ悪いけれど、言いたいことは言いたいし・・・。4月18日付けの東京新聞は、名古屋高裁が「航空自衛隊のイラク派遣は違憲」という判決を下したということを大きく伝える中で、軍事評論家の江畑謙介という人の次のようなコメントを掲載しています。

  • 世界の常識外れる
    イラクに輸送目的で自衛隊を派遣した以上、何を運んでいるか他の国は関心がない。水や食料、燃料はいいが兵員や弾薬はだめなんて(今回の判断は)世界の常識と懸け離れている。兵員を運ばないことで自分の手が汚れないというのは自己満足だ。船外発動機や車など日本の輸出品は海外で武器として使われており現実を見ていない。世界貢献はこのような考え方では行き詰まるだろう。日本は食料自給率が低い。海外貢献せずに飢えてしまっていいのか。現実を踏まえないと事は進まない。

▼このコメントは可笑しいくらい論理がメチャクチャだと思いませんか?判決は自衛隊のイラク派遣が違憲だと言っているのに、この人はまず「とにかくイラクへ行ったんだから、自衛隊が何を運ぼうが裁判所の関知することではない」と言っている。判決は「イラク派遣=戦闘行為への参加=憲法違反」と言っているのに、この人はそれには触れないで「世界の常識」を持ち出している。

▼憲法違反かどうかはともかく「水や食料、燃料はいいが兵員や弾薬はだめ」というのはそれほどメチャクチャなことでしょうか?兵士も含めた人の生命が危険にさらされているのだから、それを守りましょう。でも戦いはやりません・・・というのはそれほどおかしいですか?

▼それにイラク戦争でアメリカ軍などが勝利することに自衛隊が貢献すれば、日本の食糧不足がちょっとでも解消されるんですか?イラク戦争の「勝利」に貢献しないと日本人は飢えてしまうんですか?「現実を踏まえないと事は進まない」とおっしゃっているのですが、この場合の「事」って何なのですか?

▼この人、軍事評論家なのですよね。つまり兵器とか軍事技術とか軍需産業のことについて、いろいろと知識を蓄積することで世の中に貢献するのが仕事です。そのような人が「日本の海外貢献のあり方」について云々するのは、私の常識からは外れている。江畑さんが語るべきなのは、航空自衛隊が何を運ぶのかということではないし、アメリカ軍を助けるべきかということもない。自衛隊の飛行機の性能などのことなのではないんですか?ましてや食料自給率のことなど、アンタに関係ないんじゃないんですか?何でまた、東京新聞はこの話題のコメント提供者として、軍事評論家を選んだのか?編集者に是非聞いてみたい。

▼最後に、長野の聖火リレーですが、NHKのスポーツ担当アナウンサーが「私も参加しました!」と、番組で言っておりました。私が以前に見たのは、別の女性アナが「私も・・・」ということだった。あの人も参加したのでしょうか?いちいち理由は言いませんが、NHKの人が参加すること自体おかしいんじゃない?

 

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