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美耶子の言い分
017 ワンちゃんの体内時計について

私は毎朝4時頃目を覚ます。随分早起きだなあと思われるかもしれないが、正確に言うと、「起こされる」のである。誰に・・・?我が家のワンちゃんにである。彼等が小さい時から私は彼らに毎朝「おめざ」のミルクをあげているのだが、始めた頃はせいぜい6時ぐらいだった。しかし次第に彼等は自分でおめざの時刻を設定してしまった。そして、その時刻を毎朝彼等は時計も見ずに分かってしまうのだ!
しかも、ウチにいる4人(?)のワンちゃん全員にではなく、必ず決まった二人のどちらかに4時頃に起こされるというのが面白い。あとの二人は、朝の起きる時刻に関してはほとんど無頓着で、「誰かが起きたら自分も起きてミルクをもらおう・・・」という感じで寝ているのである。 大体4時ごろなのだが、それが続けて何日も「分単位」まですっかり同じ時刻(例えば4時3分きっかりを3日連続でとか)に私を起こすのを何度も経験していると、何なんだこれは!と彼らの持っている超能力にただただ敬服してしまう。

朝起きる時刻に無頓着な二人のうちの一人は、別の時刻になると、朝の二人がポケっとしているのに、やたら耳をすまして「この時刻には外から人が一人帰って来るはずだ!」と確信している如く遠くを見るような眼で、玄関の方に顔を向けて真面目な顔付きで座って待つのだ。帰って来る人物は我が家の主人、私の夫である。その様子が実に犬らしくて私は惚れ惚れしてしまう。主人がその時刻にすでに家に居る場合には、彼(そのワンちゃん)はそのアクションをしないので、明らかに頭の中で主人を想定していることが分かる。

朝に関して私が面白いと思うのは、彼らの体内時計も狂うことがあるという点だ。一つは前日走り回り過ぎて体力を使った時。もう一つは冬から春への変わり目の時季。つまり、「前日の動き過ぎ」や「春眠暁を覚えず」は人間だけではないのだと考えると、彼らがますます仲間に思えて来て愉快になる。

「仲間に思える」と言えばもう一つ彼らには私との共通点がある。「こだわり」である。彼等の行動を観察していると、細かいところに彼等なりのこだわりを其々が持っているのが分かって、益々「仲間に思えて」きてしまう。ものを使い終わったら必ず元のところに戻す、目的地が同じならそこへ行くのにはいつも同じ道を通る、一旦決めた事はなるべくこだわって長く続けるなど、、、。「こだわり」は生き物に与えられた立派な自己防衛手段のひとつなのだと、私自身は思っている。