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美耶子の言い分
014 「…と思います」と「…と思っています」の違い

「…と思います」と「…と思っています」を外国人に教える事になり、この二つの使い方の違いは何だろう、意味の違いは何だろう、と自分自身に問いかけてみた。例によって実際に我々が使う時には、無意識に使っているので、大した違いは無い積もりで使っているのだが、案外複雑な使い分けがあることが分かって面白かった。

まず、「…」のところに動詞を入れる場合、その動詞が辞書形(終止形)の場合と意向形の場合とでは大分ニュアンスが違って来る。例えば、「行くと思います」と「行こうと思います」とを比べると前者は「行く」という確かさが低く、「多分」というニュアンスが入るのに対して、後者は話者の「行く」という意思が強く伝わる。さらに、この動詞を「…と思っています」の方に続けてみると、「行こうと思っています」は自然に聞こえるのに「行くと思っています」は何かが欠けているような不自然さが感じられる。 いつものように教師用の説明マニュアルをひもといてみると、「・・・と思います」の主語は文章の中で言われていなくても絶対に話者自身でしかあり得ないのに対して、「・・・と思っています」の方の主語は話者自身でもあり得るし第三者でもあり得ると書いてあった。

「彼は絶対に行くと思います」という文では「思っている」のは話者である私。これを「彼は絶対に行くと思っています」という具合に変えてみると、「思っている」のは必ずしも私ではなく、むしろ彼の行くという意思を伝えている文のように感じられる。

さらに、これに付け加えてこんな風にしてみると、誰が何を思っているのかが良く判って来て面白い。「(私は)彼は絶対に行くと思っていると思います!」「行く」を意向形に変えるとまた一寸ニュアンスが違ってくるので面白い。「(私は)彼は絶対に行こうと思っていると思います」となるのだ。なるほど、やっぱり「行く」という辞書形の方が確かさが低く、「行こう」という意向形の方が思っている人の意思が強く伝わって来るように感じる。

こんなことを面白いと感じるのは、私が日本人だからであって、日本語を学ぼうとしている外国人には、ひょっとすると紛らわしいだけかもしれない。日本人がHe thinksのthinkを「・・・と思います」ではなく「・・・と思っています」と無意識のうちに訳してしまうというところが、私には不思議で面白い。I think he will go to school tomorrow.と He thinks he will go to school tomorrow.をそれぞれどう訳すか、次回学習者に尋ねてみようと思っている。