むささびの鳴き声
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中学生が納得する授業
2007年1月21日

先日、日本記者クラブで東京・杉並区立和田中学の藤原和博校長が会見を行い、和田中における教育のやり方を説明してくれました。この人はリクルートの広報をやっていた人で、公立中学としては初の「民間出身校長」ということで話題になっている人です。彼が語ったことはここをクリックすると文字になっています。藤原さんの語りはここをクリックすると文字で見ることができますが、一言でいうと、学校付近に住んでいるお父さんとかおじいさんとかにも教育や学校運営に参加してもらうことで、教師の負担を軽くすることを試みているようです。例えば近所に「ナメクジの研究」で知れらる人がいて、その人に学校にナメクジを持ってきてもらって実際に子供たちに触らせるというようなことをやっている。

藤原さんがもう一つ言っていたのは、子供たちにハナシをさせること。いじめられて自殺する気になっているのを止めさせるための説得劇を子供たちにやらせる。「オレなんか生きていたって仕方ないんだ」「そんなこと言うなよ・・・」などというやりとりをやるわけです。中には説得できずに「じゃ、勝手に死ねや」ということになったりするケースも。校長先生としては、タブーをもうけることなく子供たちに自分の言葉で語る機会を作りたいとのことでした。

藤原先生によると、子供たちにホームレスの問題を考えてもらうために、ホンモノのホームレスを連れてきて授業をする計画もあるそうです。彼の話を聴いていて、印象に残ったコメントがあります。「和田中は偏差値では中くらいですが、CSではトップ間違いなし」ということです。CSとはcustomer satisfactionの略。別の言い方をすると、必ずしも秀才揃いというわけではないが、学校生活に納得している子供が多いということになる。「納得」が大切なんでありますよ、ナニゴトも。