第5号 2003年4月20日
home backnumbers むささびの鳴き声 美耶子のコラム
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1)若年犯罪者に厳しすぎる?
2)ずる休みは罰金
3)イラク戦争:新聞の勝ち組・負け組み
4)カナダ人って何者?
5)英国の対ヨーロッパ関係:対照的な記事2点
6)むささびJの受売りフィンランド論:労働感覚が変化している
7)むささびMの「"番外"語学教室で自分が教わるもの」
8)春海家の柴犬座談会
9)編集後記
1)若年犯罪者に厳しすぎる?


英国では最近青少年が刑務所に拘禁されるケースが急速に増えてきており、子供の拘禁は「最後の手段」としてのみ許されるという国連憲章に違反しているのではないかという声も聞かれ始めています。この警鐘を鳴らしているのはNACROと呼ばれる犯罪防止のチャリティ組織で、英国における子供(10―15歳)の拘禁はフランスの4倍、スペインの10倍、フィンランドの何と100倍にものぼるとしています(Economist)。

青少年の拘禁件数がどのくらい増えているのかというと、1992年の時点で約4000件であったのが、2001年には7500件にもなっている。子供の犯罪が増えたから拘禁も増えたのかというと、これが全くの逆で、同じ時期の青少年の犯罪件数は14万5000件から約11万5000件にまで減っている(法務省の数字)。しかも犯罪件数の減少は拘留件数が増える前に起こっている現象であることからすると「罰を厳しくしたら犯罪が減った」というい因果関係が成り立たない。 では何故かくも拘留件数が増えたのかというと、政府がかなり厳しい態度をとるようになったということしか説明がつかない。

保守党政権のころメージャー首相は少年犯罪に対しては「より強く非難・より少なく同情(to condemn a little more and understand a little less)という姿勢で臨んだし、現在の政府も若年犯罪者に責任をとらせようとしない「言い訳文化(excuse culture)」を否定する態度に出ています。 「若年犯罪者の中には凶悪犯もいるには違いないが、多くの場合その背景に麻薬・ホームレス・劣悪な教育環境などがある」として「外国ではこれほど多くの若者を拘禁することなく、根本の問題を解決しようとしている。英国がそのようでないのは情けない」というのが、この記事を報じたEconomistの結論です。

2)ずる休みは罰金

英国の新聞業界が苦戦しています。Economistの記事によるとThe Times, The Sun, The 英語で「ずる休み」のことをtruancyというんですね、知らんかった。一月ほど前のBBCが伝えるところによると、学期中に子供を海外旅行に連れ出した親は罰金だという法案が文部省によって用意されているそうです。飛行機代などが安いオフシーズンに海外旅行に出かける親が子供を連れて行くのはアウトというわけですが、文部省のお役人は「学校の許可を得ていない休みは全てずる休みとみなす。

学期中に子供づれでクリスマスショッピングにいくのも、地中海旅行をするのも、"公団住宅(local housing estate)"の周りをうろつくのも、truancyであることに変わりはない」とコメントしているのですが、「クリスマス」と「地中海」はお金持ちのずる休みで、貧乏人の子供はもっぱら公団住宅の周りで学校にも行かずたむろしているということなのでしょうね。

これは文部省が準備している反社会的行為(anti-social behaviour)に関する法案に含まれているもの。たかが海外旅行に連れて行った程度で「反社会的行為」というのは穏やかでないし、罰金まで徴収するんですかぁ?と聞き返したくなりますが大真面目なようです。罰金がいくらになるのかは未だ決まっていないそうです。英国では、学校の許可さえとれば10日間までは休みをとってもいいそうです。

「海外旅行に行くことは違う文化に触れることになり、子供にとっていい教育になる」という声もありますが、Ivan Lewis教育大臣は「子供には教育を受ける権利があり、親にはそれを受けさせる義務がある。学期中に子供を海外旅行に連れて行くなどは無責任そのものだ。容赦はせずにzero toleranceで臨む」ときっぱりおっしゃっておいでであります。(自慢ではありませんが、私は小学校のころに学校がイヤでイヤで腹痛を理由に殆ど1学期休んだことあります。あれは間違いなく罰金ものですね)。


3)イラク戦争:新聞の勝ち組・負け組み

前号で英国の新聞業界のことを書きましたが、今年の2月―3月の各紙の売り上げを比較するとイラク報道に関係して非常に興味深い結果が出ています。つまりこの間、売り上げを伸ばした「勝ち組」は高級紙のGuardianとIndependent、それに大衆紙ではDaily StarとSun。で、「負け組み」はというと高級紙ではTimesと Telegraph、大衆紙ではDaily Mirrorがひどい落ち込みを記録したそうです。

これが何故興味深いのかというと、「勝ち組」の高級紙は二つとも戦争反対の論陣を張ったのに対して、「負け組」の高級紙は戦争支持に回った。これが大衆紙となると事情が逆転、「勝ち組」の二つは戦争支持で、負け組みのDaily Mirrorは戦争反対を主張したのです。ということは、単純にいうと英国のインテリは戦争反対の新聞を読み、一般庶民は支持の新聞を好んで読んだということになるわけですね。

もっと興味深いのはこれからのブレアと新聞のこれからの関係です。この戦争が起こる前は、左寄りとされるGuardianとIndependentはブレアに好意的だったし、保守派のTelegraphとブレア首相は殆ど犬猿の間柄だった。今度はこれがどのようなことになるのでしょうか?

4)「カナダ人」って何者!?

Identityという英語は日本語で何と訳すのでしょうか?自己証明?とにかく自分(あるいは自分たち)が何者であるかという意識のことですよね。私は「自分が自分の何に誇り(のようなもの)を感じているか」という風に解釈しています。前回のむささびジャーナルで、「カナダ人のアメリカ嫌い」「アメリカ人のカナダ嫌い」についての記事を紹介しました。

インターネットのgoogleサーチエンジンによると「アメリカ人のカナダ嫌い」というサイト数は56件で「カナダ人のアメリカ嫌い」が9310件であったという、あの記事です。あれを近所に住んでいる二人のカナダ人に見せてみました。この二人(年齢は25歳と30歳の間くらい)はアメリカという隣国のことをどう思っているのか、ちょっと気になったというわけです。

独善的・無知・危険・パワフル…

As a Canadian I feel and know among my fellows a lack of national identity. Our physical and cultural proximity to our overwhelming neighbour confuses this issue immensely. This helps to fuel the stereotypical perception of Americans (the people and the systems, although occasionally blended together) as self-important, ignorant, powerful and dangerous. Living in this shadow is probably the cause of this (usually) quiet fury with the mountain just to the south.

このコメントはアメリカ・ミシガン州と国境を接するオンタリオ州の小さな町から来た男性のものです。余り(どころか全く)いい印象ではないようですね。「内に秘めた怒り」(quiet fury)とは穏やかでない。彼の場合、嫌米もさることながら、カナダ人としてのアイデンティティのなさについて情けないと思っているふしもあります。カナダ人としてのアイデンティティって何?と聞かれれば普通のカナダ人の答えは「アメリカ人ではない」(Not American)なのではないかと言っており、それは「非常に不満(frustrating)である」としています。確かに自分を語るのに「xxでない」という否定形をとるというのはフラストレーションがたまるでしょうね。

アメリカ人には分かってない?

Europe is much more influential in a global sense than Canada, so it follows that anti-American sentiment from Canada is basically a non-issue for Americans. In fact, I'm willing to bet that 98% of Americans have no idea anti-Americanism in Canada even exists.

この人は西海岸のバンクーバーから来た中国系のカナダ人(女性)。「アメリカ人はカナダ人に嫌われているということ自体全く気づいてもいないであろう」というわけ。「世界中でカナダ人こそが最も反米的でありながら暴力には訴えていない国民であると思いたい」(I'd like to think that Canadians have the distinction of being the most anti-American people in the world who have not resorted to violence against America)とも申しております。 ただこの女性は「アメリカ人とカナダ人のヨーロッパ観は共通している」と言っています。即ち両国人ともヨーロッパは「古びた社会・世界」という見方が普通であるそうです。私はカナダという国には行ったことがなくて、大自然が美しくて平和な国というイメージしかありません。国境を挟んだ南側の隣人には、結構屈折した感情を持ちながら暮らしているということですね。

5) 英国の対ヨーロッパ関係:対照的な記事2点

4月7日付けのThe Guardian紙とThe Economist誌の4月5日号が英国とヨーロッパの関係について全く違うニュアンスの記事を掲載しています。コントラストが非常に面白いので簡単に紹介します。

To Europe, via Baghdad, and reading the wrong map

これはThe Guardianの記事でJohn Stevensという英国選出の欧州議会議員(保守党)が書いています。「大きな統合ヨーロッパの実現に果たすフランスとドイツの影響力は「ブレアが考えている以上に大きい」としています。「ヨーロッパ合衆国などできっこない」と考えようとしているブレアは「時流を読み違えている」と主張しています。ブレア首相はさらにアメリカ右派の考え方を過小評価している、と言います。「アメリカの保守派が描いているのは、イラクのみならず近隣のアラブ諸国全部を民主化しようという壮大な計画である。ことの善悪が問題なのではなく、そのような計画がうまくいくのか?そのような試みは実は現状をより悪くして破滅的な結果を招くだけなのではないか」と疑問を呈しています。フランス、ドイツ、ロシアはアメリカの意向に沿うということは「微塵も考えていない」ともしています。「ブレアはどこにも行き場所がないだろう(Blair is going nowhere)」というのが筆者の結論です。

Mr Blair is not Mrs Thatcher

対照的なのがEconomistのこの記事。ブレア首相はヨーロッパの中で孤立しているとは思っておらず、むしろ孤立しているのはフランスの方だと考えている、としています。イラク戦争についてはスペイン、イタリアを始めとする各国から支持を得ているし、支持していないフィンランド、アイルランド、スウェーデン、ギリシャにしてからが、シラクのドゴール主義には少なからず不快感を抱いている。問題はドイツですが、シュレーダーの「平和主義」が一般受けはしているものの、シラクの反米主義については、特に産業界が快く思っていない。

イラク戦争はともかく、ヨーロッパとアメリカの関係という長いスパンで考えたときに「フランスは勝てるはずのないケンカを買ってしまった」というのが英国の見方である(とEconomistは書いています)。同誌は、「ブレア首相はこれから反テロリズムとか核の不拡散の問題などでヨーロッパに対して強力に働きかけを行うだろう。フランスにとってはそれが試練の時になるだろう」と書いて「ブレア氏はヨーロッパに背を向けていない。どころか彼は自分が勝っていると信じており、それにはちゃんとした理由がある」と結論しています。

どちらが正しいのかなど、私にはわかりっこありませんが、イラク戦争をきっかけに英国では保守党が妙に息を吹き返しているような雰囲気でけったいなことになっています。ダンカン・スミス党首などは、この際英国はEUを脱退して北米自由貿易地域(NAFTA)に加盟した方がいいのでは、などと言い始めたりしているそうです。まさか、それはないですよね。

6) むささびJの受売りフィンランド論:労働感覚が変化している

前号と同じようにThe Information Society & Welfare Stateという本からの受け売りをしておきましょう。「情報化世界一」「福祉も万全」「若くて前向き」…結構ずくめのフィンランドのようですが、弱点も多々あることはいうまでもありません。冬が寒くて長いという自然条件は言ってみても仕方ないこととして、情報化と福祉というこの本のテーマに沿ったフィンランドの問題点の一つに労働感覚の変化というが挙げられています。

フィンランドは80%以上がルーテル派のキリスト教徒なのですが、労働というものについての感覚が「聖なるもの」であると同時に「苦しいもの」であるという意識が強い。この二つの感覚を併せると「労働の苦しさに耐えることは高貴なことだ」という感覚になる。ただこれは伝統的な労働感覚であって、情報化時代のそれはかなり違う。そこでは好きな仕事をエンジョイしてお金を儲けて「ランボルギーニを乗り回しながら」カッコイイ生き方を追求しようというわけです。

これは労働を義務と捉え、慎み深さをモットーとするプロテスタント的な感覚とはとても合わない。 プロテスタント風の労働感覚では、給料は「刻苦勉励」の結果として得られる高貴な報酬ですが、情報時代の成功者にとっては給料よりも企業の市場価値のほうが大切であるということになっています。報酬はそれによって得られる株の儲けであるからです。情報化時代の成功者が国際的な環境で仕事をこなしているのに対して、昔ながらの「刻苦勉励派」は国内企業に多いことは言うまでもありません。

こうした二つのグループの間のギャップが開きつつあるというのが、この本の筆者の警告です。 尤も筆者は、フィンランドにはこれら二つのグループ以外に第三のグループが存在していることを前向きに指摘してもいます。この人たちは自分と社会を創造的に関係付けることに情熱を感じている人々で、筆者はこれらの人々のことを「ハッカー」と呼んでいます。私などはハッカーといえば、世界中のコンピュータの頭脳を破壊して喜んでいる犯罪者のことを言うのかと思っていたのですが、本来の意味は「創造的に自己発見することに情熱を持つ人々」のことを言うのだそうです。彼らにとっては仕事とはこの自己発見(self-realisation)の手段であって、金儲けの上にこれが来るのだと筆者は言っています。こうしたハッカーによる社会的ハッカー主義(social hackerism)がフィンランドにとっての希望であるということです。


7) むささびMの「"番外"語学教室で自分が教わるもの」

★今回のおしゃべりの前に、前号で書いたワンちゃん達の誕生場所を「出窓式戸棚の中」と言い換えさせてもらいたい。前号の言い方だとまるで彼らは外で生まれたみたいに勘違いされてしまいそう(やっぱり日本語は難しい?)なので。彼らは12年このかた、外で寝たこともタダの一回だってないだけでなく、雨の日は足が濡れるのを嫌がって庭に出ることもしない人達なのだから。

<ことばを教えること> 実は私、学生時代からも入れると38年間殆ど途切れることなく、しかもかなり細々と中学生・高校生に英語と数学を教え続けている「クチコミ・家庭教師」なのである。その番外編(?)として、小学生に英語を教えたり外国人に日本語を教えたりしていると言ってもいい。そして最近はこの番外編にかなり惹かれている。しかもこの二つには共通点があるように思う。学校の授業とは基本的には関係がなく、従って定期試験などというものに縛られずに済むので、内容もスピードも方法も個人に合わせて自由に調整できるという点がひとつ。

もう一つは両方とも「ことば」を身につける作業であるという点。 原則として「無意識」のうちに自然に身につく「ことば」というものを、「意識的」に身につける又は身につけさせるということの難しさが、「ことば」の醍醐味であり面白さだとも言える。教わる方は十人十色だから、こうすれば必ず全ての人に同じ効果が期待できるという方法などあろう筈がない。あるとすれば「耳にタコができるほどの反復練習」しかないのではないか。文法(理屈)でことばを教えるという方法が語学習得にどの程度効果があるものなのか、、、。

日本にいる最近の外国人は随分上手に日本語を話すようになっているような気がする。外国人が簡単に身に付けられる日本語習得法(or教授法)のマニュアルが何か特別にあるのだろうか?もしあるのなら、その方法を使って日本人に英語を教えたら、英語が話せる日本人ももっと増えるのではないか、と思ったのが、私が日本語を教えることに興味を持ち始めたきっかけであった。使う教科書については、日本語のテキストにも文法中心のものと実践中心のものの2種類であることにおいては、英語の場合と大差はない。日本の学校の英語教育との一番の違いと言えるのは、一つの文型を使ったいわゆる「パターン・プラクティス」をかなりしつこく沢山やる授業であるということである。

そしてどうやらこれが、日本語が話せる外国人が増えている「カギ」のような気がする。つまり逆から言えば英語が話せる日本人が増えない「カギ」とも言えそうなのである。 1クラス30人から40人の1時間授業で、しつこいくらいの口頭練習を現在使われているような英語の教科書だけを使ってやるためには、教師の相当綿密な準備と沢山の良く出来た例文(生徒が退屈しない、実際に使える例文)を準備しなければ、無理である。それが出来る英語教師が果たしてどれくらいいるだろうか、と考えると正直言って疑問である。教師用の充実したマニュアルを作るか、今の英語教科書を思い切ってパターン・プラクティスのしやすいものに変えるか、どちらかしかないと思う。


8) 春海家の柴犬座談会

本日は春海さんちの柴犬カルテットにお集まり頂き、日ごろ思っているところを自由にお話して頂くことになりました。題して「むささびジャーナル主催:低脳ドッグの激論大会」です。簡単に自己紹介からお願いします。

DD(男):どおも…。ボクはDDです。ディーディーなんて変な名前でイヤなのですが、とにかくお母さん(美耶子)が付けてくれたらしいので一応「ディーディー」と呼ばれれば振り向くことにしています。

サム(男):ッチワ!ボク、サム。いや「ボクサム」じゃないの、僕の名前がサムってこと。僕の趣味はご飯を食べるときに一番ゆっくり食べて、みんなが食べ終わって、ボクのご飯を食べに来たときに「来るんじゃねぇ!」と吠えつくことです。

レイ(女):うーーーーっ!アタシはレイ。なんか文句ある?

ルース(女):あたしはルース。この名前も聖書に出てくるRuthなのです。とにかくこの家はお父さん(二郎)以外、みんなクリスチャンなので、あたしたちの名前もそうなるんです。お父さんは無神論者(英語でAtheist)としてこの家ではバカにされています。

サム:でも本人は自分が「天才」だと思っているようですね。お母さんなどは彼のことを陰で「天災」と呼んでますね。Mr Disaster…。

ルース:食べ物の話をしましょうか。

DD:ボクが好きな食べ物は、スパゲティ、アイスクリーム、ご飯、レタス、まぐろの刺身、柿の種、インド料理のナン、笹団子、牛肉、ゆでたニンジン、鶏肉、チーズ、餃子・・・。

レイ:お願いだからもう少し整理してしゃべってよ。あんた何でも食べるからね。こないだなんか新聞まで食べてた。

DD:あれは味がしなかった。変な臭いがしたけど、おいしいのかまずいのか、よく分からなかったな。

サム:お父さんとお母さんが留守のとき、テーブルの上にあったチョコレート食べた。あれは美味しかったな。あとからムカムカしてきて、吐いちゃったけど。吐いたものがチョコレートの匂いがしたのでお母さんにばれてしまった。あれは失敗だった・・・。

レイ:みそ汁に入っているダイコン。お父さんがお母さんに内緒でくれた。あれも美味しかった。あのダイコンをもう一度食べられるのなら、一生ヒモでつながれても構わないな。

ルース:大げさなんです、あんたは。私もお父さんから内緒でスルメを2−3本もらったことがある。あとからお母さんにカンカンに叱られた。塩辛いものは絶対にダメなんだって。でもあれほど美味しいものがこの世の中にあるとは知らなかった。

DD:と、とにかくボクらは一日に一回しか食事がない。他の人(人間のこと)は3回も食べるのに。だからいつも夜の7時半ごろになるとおなかがすいてすいて、ついキャンキャン叫んでしまう。

レイ:そしてお父さんに「イヌ畜生、静かにしろ!」とか言われる。あの言い方はひどいと思うわ。

サム:あー、卵焼きが食べたい!

司会:では本日はここでおしまいにしましょう。

DD:えーと、言い忘れましたが、ボクはビールと肉じゃがも好きです…。


9)編集後記

私が全国の仲間(と呼んでも差し支えないと思いますが)とやっている「グリーン同盟の会」は1年に一度、2002年に植えられたイングリッシュオークの現状報告を写真で行うことを一つの目標としています。深い雪の中でアタマだけ見える「冬のオーク」の写真もありました。春になって少しずつ写真が入ってきていますが、どうやらオークは無事に冬を越したようであります。個人ベースでやっており、今はやりの「NPO」というような組織ではありません。参加者は(私も含めて)それぞれに仕事を持って世の中とかかわっています。私の夢としては、そのような個人が極めて緩やかなネットワークで繋がることであります。ご注目を…。