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美耶子の言い分 美耶子のK9研究 むささびの鳴き声 どうでも英和辞書
musasabi journal
第126号 2007年12月23日

   

最近、炭火でご飯を炊くことに凝っております。ほんの少しオコゲの香りがする。友人から送ってもらった、お味噌をご飯の上に乗せて食べる・・・日本人であることの幸せを感じる瞬間ですな。この世に、あれほど美味しいものはあるでありましょうか?ありっこない!!というわけで、2007年最後のむささびジャーナルです。

目次

1)プレミアリーグの放映権とパブ
2)フィンランド:若者とネットで向き合う
3)マードックの息子とパレスチナ問題
4)英国のユダヤ人
5)短信
6)むささびの鳴き声(長文警告)

1)プレミアリーグの放映権とパブ


英国・ハンプシャーにあるパブが、客寄せのためにサッカーのプレミアリーグのテレビ中継をやっていたところ、これが版権侵害ということで、プレミアリーグに訴えられ、裁判で負けてしまったというハナシ。最近のBBCのサイトに出ていたのですが、このパブは衛星放送のディッシュを立てて、ギリシャのテレビ局が中継している、イングランドのプレミアリーグの試合を客に見せていた。が、本来なら、元々の放送局である英国のBSkyBに年間6000ポンド(約150万円)払わなければならない。同じ放送をギリシャ経由で見ると800ポンドで済むのだそうです。

裁判所は英国内の版権に関する法律を適用して、BSkyBの勝ちにしたわけですが、ギリシャがEU加盟国であるところから、EUの「競争および移動の自由」という法律に照らすとどういうことになるのか・・・というわけで、パブ側の弁護士は「サッカーの試合で言うと、まだ前半が終わっただけ」と言っています。これに対してプレミアリーグのスポークスマンは「パブが版権侵害をしていることは、本当かつ単純(pure and simple)」というわけで、「外国の衛星放送システムを使ってプレミアリーグを見るようなことは止めて欲しい」と言っている。

実は外国の衛星放送機器を使って、外国の衛星放送をやっているパブは英国内にいくつかあるんだそうで、その種のサービスを提供しているDigital Salesという会社は、今回の判決は「不公正であり、ほかの商品に関する英国内の版権法からしてもおかしい」というわけで、

もし我々のやっていることが違法だというのなら、ヨーロッパ製のクルマを英国に持ち込むのも違法だし、ヨーロッパのほかの国でDVDを買って、英国へ送ることも法律違反になるではないか(If what we are doingnis illegal then it will stop people bringing European cars into Britain and if you buy a DVD in Europe and have it shipped to you in Britain then that will be deemed illegal, too)

と怒っております。 ちなみに、土曜日のプレミアリーグの試合は英国のテレビ放映はないんだそうで、ハンプシャーのパブはこれもギリシャからの中継で客に見せていたのだそうです。もちろんこれもアウトというわけです。

▼私、サッカーは90分も走り回るだけで、面白くもなんともない、と思っていたのですが、最近、NHKの衛星でプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドとリバプールの試合を見て、考えを変えてしまいましたね。非常にスリルがあって面白かった。

▼それにしても、プレミアリーグといい、野球のメジャーリーグといい、放映権は正に稼ぎどころなんでしょうね。日本のNHKがいくら払っているのか知りませんが、メジャーリーグが日本のプロ野球選手を取りたがるのは、放映権を日本に売れるからという思惑もあるんでしょうね。

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2)フィンランド:若者とネットで向き合う


11月の初めにフィンランドの高校で銃の乱射事件があったことは、むささびジャーナル第123号でもお伝えしました。その際にお話したのは、フィンランドにおける銃所有のことが中心でした。フィンランド外務省が主宰しているVirtual Finlandというサイト(英文)にSalla Korpelaというジャーナリストが、この事件は「フィンランド人全てにとっての悲劇である(a tragedy for all Finns)」という記事を寄稿しています。

記事の中でKorpela記者は、この事件は世界中のメディアによって報道され、フィンランド人の精神面とか孤独感あるいは銃の所有などについての「性急な判断」(hasty judgements)が行われたが、実際にはもっと複雑な背景がある(the reasons must surely be more complex)と言っています。

Korpela記者のいわゆる「もっと複雑な背景」の一つがインターネットと若者の関係です。犯人である18才の青年は、犯行前にネット上のディスカッションに投稿して、犯行を予告するような発言をしたり、ピストルを撃つ画面を投稿したりしていたらしい。この記者によると、これらの「犯行予告」を知りながら、彼の友人たちも含めて誰もこれに反応しなかった。マジメに受け取らなかったということです。

フィンランドでは91%の若者が、一日に少なくとも1時間半はインターネットをやるそうなのですが、ネットの中身まで規制するのは難しいだけではなく、その種の取り締まりが若者を救うことにはならないというわけで、「大人が、若者たちがネットで何を言ったり、やったりしているのかを認識することが肝心」というわけで、専門家の意見として、次の二つの具体策を挙げています。

1)家庭にあるコンピュータを家族全員が使うスペースに置いて、全員の目に入るようにしておくこと(to position the family computer in a place that is part of the common space of the family, and in full view of all)

2)精神衛生および社会厚生サービスを、若者が最も頻繁に出入りする場所、すなわちインターネット上で提供すること(The young should also be offered mental health and social wellbeing services in the place they frequent, namely the Internet)

▼家庭のコンピュータをリビングルームのような場所に置け、というのは素朴ながらいいアイデアではある。

▼それより面白いと思うのは、2番目のアイデアですよね。若者の精神衛生サービスを、彼らの舞台で提供しようという考え方です。コンピュータを居間に置いても、携帯電話だけはどうしようもないですよね。何せ小学生までが殆どケータイを持っている世の中ですからね。そうなると、彼らのいる場所へ大人が出かけて行くしかない。それで今回のような事件を防げるのかというと、そうでもないとは思うけれど、あえて何かをするとなれば、それしかないですよね。

▼今回の事件の背景について、外国メディアが、フィンランドについての「性急な判断」をしていることを批判的に書いていますが、これはこのサイトが外務省が主宰しているということもある。「性急な判断」というより「もっともらしい説明」と言った方が分かりやすい。確かに英国の新聞などには、そのような記事が出ていましたね。メディアというものは、日本も英国も(多分フィンランドも)もっともらしいことを言ったり、書いたりするものであり、「説明」しないと気がすまない人たちの集まる世界であるとも言えますね。

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3) マードックの息子とパレスチナ問題


メディア王のルパート・マードックは、強力なイスラエル贔屓で知られています。この人に最近買収されたアメリカの経済紙、Wall Street Journalの場合、もともとイスラエルよりの論調だから、マードックがオーナーになっても変わらない。

が、保守派のオピニオン・マガジンThe Spectatorによると、マードック傘下にある英国の新聞はちょっと事情が変わるかも・・・と言っています。The Times, The Sunday Times, The Sun そしてNews of the World、いずれもマードック傘下にあり、イスラエル寄りなのですが、これらの新聞の経営はマードックの息子のジェームズに任されることになっている。この息子というのがパレスチナ寄りとされているというわけです。

ジェームズがパレスチナ寄りであるというウワサの根拠としてThe Spectatorは、ブレア首相の報道官をつとめたAlastair Campbellの回想録に出て来るあるシーンを挙げています。2002年1月のことなのですが、ブレア首相の官邸で夕食会があって、そこにルパート・マードックが二人の息子(兄がラハラン、弟がジェームズ)と参加した。

席上、兄のラハランが、中東和平に関連してイスラエル寄りの発言をしたところ、弟のジェームズが「なにアホなこと言っとるんじゃ(You’re ‘talking f****** nonsense)」と噛み付いた。さらに父親のルパートが「パレスチナ人の問題って何なのか?」と口を挟んだところ、ジェームズが

問題ちゅうのはな、パレスチナ人は家を追い出されてどこへも行く場所がないっちゅうこっちゃ(it was that they were kicked out of their f****** homes and had nowhere to f****** live)

と怒鳴り返した。f******というのが入ると、どうしても日本語的には「この、どアホ!」というニュアンスになる。

ジェームズは、あろうことか首相主催の夕食会で、怒鳴り散らしてしまったことを詫びたことは詫びたのですが、パレスチナよりの考え方そのものについては、一切謝らなかった、とCampbellは記しています。

英国にあるマードック系の新聞が、パレスチナ寄りになるということは、タイヘンなシフトということになるし、イスラエル系のロビー活動にとっては重大な関心事(a matter for grave concern among the pro-Israeli lobby)となる。が、彼らにとってちょっとした慰めは、The TimesのJames Harding編集長がユダヤ人であることだろう、とThe Spectatorは書いているのですが、それでも経営者がパレスチナ寄りになるということで「マードック傘下の新聞の奴隷的イスラエル支持の時代は終わりそうだ」(the days of Murdoch's London papers' slavish support for Israel would seem to be over)と結論しています。

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4) 英国のユダヤ人


英国のブラウン労働党政権を悩ませている問題の一つに、政治献金にからむ「スキャンダル」があります。

不動産会社を経営するDavid Abrahamsという人が、労働党に60万ポンド(約1億5000万円)の献金をしたのですが、その際、自分の名前を伏せて、別の人間の名前で献金したことが選挙法違反だというわけです。さらに労働党のJon Mandelsohnという選挙資金担当者が、その献金の仕方が違法であることを知りながら金を受け取り、しかも黙っていたという責任を問われています。

政治献金にまつわる疑惑といえば、ブレアさんが首相であったころにビジネスマンのLord Levyという人物が、選挙資金を寄付したことの謝礼として、貴族院議員の資格を与えられたのではないかということが問題になった。結局、この人は罪にはならなかったのですが・・・。

Abrahams、Mandelsohn、Levyの3人に共通するのが、3人ともユダヤ人であるということで、メディアの中には、スキャンダルの背後には「ユダヤ人の陰謀」(Jewish conspiracy)があるのではないか、というニュアンスの記事を掲載するところが出てきている。

Jewish Chronicleというユダヤ人向けの新聞は、このスキャンダルによって「ユダヤ人叩き」が起こるのではないかと心配するコメントを載せています。例えばAndrew Dismoreというユダヤ系国会議員は、

誰もがユダヤ人の利益との関連性やユダヤの陰謀の証拠を探し回っており、マスコミはそれを発見しようと、一枚一枚、石をはがすようなことをやっている(People are looking for links to Jewish interests and evidence of a Jewish conspiracy. The press are turning every stone to find one.)

として、「今回の献金問題も、ユダヤ人が絡んでいなければ、これほどの大々的な報道にはならなかったはずだ」(the case would have received such intensive coverage if it did not involve Jews)と言っている。

ではどのような報道を称して「ユダヤ人叩き」というのかというと、例えばDaily Telegraphのサイト(11月30日)は「本当の資金提供者を捜せ」(Hunt for the Real Donor)という見出しの記事とともに、Abrahams氏が、元駐英イスラエル大使と握手している写真を掲載している。記事ではこの元大使が、マネーロンダリングの疑いを持たれたこともある人物であり、現在は中東和平のための特使をつとめるブレア氏のアドバイザーにもなっていると紹介されている。

もっとそれらしいのは、The Independentが12月3日付けのサイトに掲載した寄稿文で、労働党イスラエル友の会(Labour Friends of Israel: LFI)という組織によるロビー活動に触れて、この友の会の活動は「後ろ暗い(shadowy)」ところがあり、彼らの「舞台裏での影響力行使」(back-room influence)は薄気味悪いとしています。この組織はイスラエル政府の意見を伝えるための組織であり、英国の中東政策を陰で形成するのに一役買っているとしている。ちなみに保守党にもConservative Friends of Israelという「友の会」があるらしい。

今年、イスラエルがレバノンを爆撃したときに、ブレア首相がイスラエル寄りの姿勢をとったのは、首相と「友の会」の特別な関係が理由の一つである(Tony Blair's abject performance during the last Israeli assault on Lebanon was partly the result of the special relationship he had with LFI)

とまで言っている。この筆者は「モーゼの怒りを買いたくはないが」(I have no wish to bring the wrath of Moses upon)とか「反ユダヤと非難されることを覚悟で言うと」(I can already hear the accusations of anti-Semitism)のように、如何にも「ユダヤの陰謀」をほのめかすようなトーンで記事を書いている。

政治献金スキャンダルにユダヤ人が絡んでいることについては、12月8日付けのThe Economistの政治コラムBagehotが「献金スキャンダルが語る英国のユダヤ人と移民たち」(What the funding scandal really tells us about Britain, its Jews and immigrants in general)という記事で取り上げて解説しています。

英国は対ユダヤ人の偏見も少なく、英国で暮らすユダヤ人たちは、ユダヤ人であることを隠す必要もなく、英国は最もユダヤ人でありやすい(one of the best places to be Jewish)であるとしながらも、彼らには英国社会に対する「漠然としてはいても強い感覚」(a vague but powerful sense)というものがあるとしています。すなわち:

英国には内輪の聖域、目に見えない主賓席のようなものがある。そこではうわべだけは歓迎されているように見えても、新参者は、生まれや出身階級が故に実際には歓迎されることがない。(there is somewhere an inner sanctum of Britishness, an elusive top table, to which, by reason of birth and class, the newcomer is not invited, ostensibly welcomed though he may be)

英国社会ではトップテーブル(主賓席)につくために、ユダヤ人を含めた「新参者」は、巨額の寄付をしたり、目立つような慈善活動をしたりという涙ぐましい努力をしなければならない。彼らは英国社会で認められるために、トップの人たちと付き合いがあることを誇示する必要があるとも感じているというわけで、The Economistは問題のAbrahams氏が若いころに、両親とバッキンガム宮殿のパーティに呼ばれたときの写真を紹介、「この写真が多くのことを物語っている」としています。

英国におけるユダヤ人の歴史ですが、BBCのサイトによると、最初に到着したのは11世紀の初め、1066年にウィリアム征服王(William the Conqueror)が,ヨーロッパ大陸からイングランドへやってきてここを制圧したときに、ユダヤ人を連れて来たことに端を発しているのだそうです。何故ユダヤ人を連れて来たのかというと、彼らが商人であり、銀行業に秀でていたということだった。当時のイングランドでは、キリスト教徒は利子を取って金を貸すことを禁止されていたのだそうです。

が、金儲けが上手であることがキリスト教徒たちのねたみを呼び、社会的な迫害にさらされるようになり、13世紀の終わりごろになって、当時のキングがユダヤ人追放を決めるに及んで、多数のユダヤ人が大陸へ脱出した。17世紀になって、清教徒革命の指導者であるオリバー・クロムウェルがユダヤ人の帰国を認めたことで、再びイングランドへやって来てユダヤ教を実践することを許された。英国最初のユダヤ教の集会所(シナゴーグ)が開設されたのが1656年のこと。昨年(2006年)、イングランド各地で「ユダヤ人の復帰350周年祝賀行事」が行われたのだそうです。

▼英国の有名人にはユダヤ人もいます。私でも聞いたことがある名前を挙げると、Benjamin Disraeliは、1874年に英国初のユダヤ人首相なった人ですね。 Lionel de Rothchildは、1847年にユダヤ人としては初めて国会議員に選ばれたのに、宣誓式でキリスト教との「連帯」を拒否したために国会には入れなかった。ロスチャイルド家は19世紀の初め、ナポレオン戦争の資金を提供した銀行家として有名です。 Yehudi Menuhinは最も有名なバイオリニストです。

▼となると知ってみたくなるのが、世界的に見た有名ユダヤ人ですね。Famous Jewsというサイトによると、心理学者のフロイド、相対性理論のアインシュタイン、哲学のカール・マルクス、スピノザ、革命家のトロツキー、原爆開発のロバート・オッペンハイマー、ワシントン・ポストの社主(だったと思う)キャサリン・グラハムなどときて、俳優のところを見たら、ケリー・グラント、ハリソン・フォード、ポール・ニューマン、ダスティン・ホフマンらの名前がありました。

▼ナザレのイエス(Jesus of Nazareth:イエス・キリスト) については「イスラエルがローマ人に占領されていた時代の預言者であり教師:Prophet and teacher of Roman-occupied Israel)という説明が出ておりました。

▼私、正直言って、ユダヤ人のことには関心も知識もゼロなので、特に日本人が「ユダヤ人の陰謀」などと言うのを聞くと違和感を覚えます。それにしても「有名人」リストには驚きですね。「キラ星のごとく」とは、こういうのを言うのでありましょうか?

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5)短信


高齢世界一の遺言

PA通信によると、最近亡くなったウクライナのHryhoriy Nestorさんは116才で世界一の高齢者だった。彼の遺言はというと「自分が死んでも泣かないこと」というのと「葬式に集まった人々には自分の好物だった食事を出す事」というものだった。彼の好物は、温かいポテト、魚のニシンと「自家製ソーセージをキャベツで巻いた料理」だったのだそうです。近所の人によると、Nestorさんは、「就寝してそのまま目が覚めなかった」という死に方だったのだそうです。でも彼が飼っていたネコは、ご主人の死を察したらしく、普通なら自分のコーナーで寝るのに、その夜だけはご主人のベッドから降りることがなかったのだそうです。

▼ウラマヤシイですよね、こんなのって。それと葬式に集まった知り合いに出す食べ物まで指示するなどはニクイですね。

ブレアさんがカソリック教徒に

英国のブレア前首相が、英国国教会からローマ・カソリックに宗旨替えをしたそうです。彼のスポークスマンが明らかにしたもので、12月21日の夜にロンドンのウェストミンスターにあるカソリック大司教のチャペルで式が行われ、正式に認められたのだそうです。ブレア家は、夫人も4人の子供もカソリックだったので、ブレアさんの宗旨替えは以前からウワサされていた。首相を辞めたのが6月ですが、直前にバチカンのローマ法王を訪問しました。4年間で3回訪問したそうです。

▼首相時代に「ブッシュの毎晩お祈りをしているそうですね」などと、からかい気味に聞かれていたですよね。

運転歴82年で無事故・無違反の快挙

英国のHerefordで暮らすMuriel Gladwinという女性は今年94才ですが、ついにクルマの運転を止めたのだそうです。82年の運転歴で、走行距離は約60万マイルというから、殆ど100万キロということになる。その間、全くの無事故、無違反。違法駐車もなしという超優等生。で、何故いま運転を止めたのかというと、無事故・無違反の記録を保持したまた止めたかったのだそうです。初めてクルマを運転したのは1925年、彼女が12才のとき。免許なんか持っておらず、自己流の運転だった。乗ったクルマは、フォードT型。免許をとったのは5年後の17才のときだったとのことです。

▼全くの違反ゼロというのはすごいですよね。私はというと・・・駐車違反は何度かやってますね。スピード違反ではなくて、運転がのろのろし過ぎて警官に止められたことがある。
6)むささびの鳴き声

▼スパゲティをフォークとスプーンを使って食べる人がいますよね。私、あれが出来ないのであります。ヌードルをフォークにクルクル巻いて、そのまま口の中へ入れる。その間にスプーンの入る余地はないと思うのですが、私の娘などはフォークに巻きつけるところで、何故かスプーンをあてがう。そんなことしなくても巻けると思うのですが、それを言うと、「えっ、お父さん、使わないの!?」と、さも人をバカにしたようにキョトンとされたりするに決まっているので、あえて言いませんが、どうもよく分からない。

▼先日、レストランでタラコ・スパゲティを頼んだら、例によってフォークとスプーンが沿えられていた。そのときは一人だったので、フォーク&スプーンに挑戦してみたけれど、やっぱりダメ。普段はフォークだけで食べるので、スプーンは汚れないままで置いてあるわけですが、何故か申し訳ないような気がして、食べ終わると両方をお皿に置く。スプーンはそのままテーブルに置いておけば洗わなくても使えるのに・・・と考えると、それはそれで申し訳ないような気持ちになる。考えてみると、スパゲティは殆どの場合、箸でもいいんですよね。

▼ハンバーグ・ライスなんですが、はっきり言って、あれもフォークだけでいいんでない?ナイフを立てるような固さではない。ただ、この場合は、箸はダメですね。箸でハンバーグを切ろうとして折ってしまったことがある。でもナイフは要らないな。フォークでハンバーグを切りながら、ご飯をすくって食べればいいわけです。昔、永六輔さんが、ハンバーグ・ライスのライスをフォークの背中に乗せて食べるのは、上品ぶっててイヤらしいと文句を言っているのを聞いたことがある。イヤらしいとまでは思わないけれど、確かにナイフでご飯をフォークの背中に乗せるのはやりにくい。お腹の部分ですくって食べるのがイチバンです。

▼石焼ビビンバに付いてくるスプーンは何故ああも長いんですかね。食べにくいんですよ。韓国のスプーンがああだから、ビビンバとくれば長スプーンということ?カレーのスプーンで十分です。私の妻は、殆ど役に立たないものを買うので、私は心の中で「ムダ買いの美耶子」と呼んでおりますが、先日「ビビンバ用スプーン」なるものを買ってきて得意そうな顔をしておりました。「ムダ買いだ」と言おうと思ったけれど、張り倒されるような気がして止めておきました。

▼池袋駅に立食い蕎麦の店がありまして、たまにざる蕎麦を食するのでありますが、かけ蕎麦とカレーライスのセットというのを食べている人がいたのには驚

 

きましたね。ラーメン+ライスは許せるけれど、「かけ+カレーライス」というのは、どうも・・・。いっそのことカレー・ウドンとご飯を食べた方がいいじゃありませんか?と言ってやろうと思ったけれど、やめました。大きなお世話だもんな。かけ蕎麦というのは粋なんですよ。それと一緒に、あろうことか、無粋の見本みたいなカレーライスというのは、許せないな、やっぱ。嘆かわしい。

▼嘆かわしいで思い出したけれど、雑誌の『ダカーポ』が休刊になりましたね。残念であります。それほど頻繁に購入していたわけではないけれど、いまの雑誌の中では唯一、お金を出して買う気のする雑誌だったんです。ただ最近は活字のサイズが小さくて、私のような高齢者には読むのがきつくなっていたことは事実です。

▼活字のサイズで思い出したけれど、毎日新聞の活字がほんのちょっぴり大きくなったのだそうです。その代わり、一行がそれまでの11文字から10文字になった。私の計算でいくと、新聞1ページ(広告なし)に入る活字の数は、一行10文字だと10,500文字、11文字だと11,550文字です。つまり一行の文字数を1文字減らすと、およそ1000文字分のスペースがなくなるということになる。私、40年も前に新聞社にいたのですが、その頃は一行15文字だった。それだと1ページあたり15,750文字が入る計算になる。

▼昔に比べると新聞の活字は非常に大きくなっているのですが、それは高齢者にとっての「読みやすさ」追求の結果ともいえます。新聞社の人々は、いま若者が新聞離れをしていることに危機感を持っているそうです。しかし、活字のサイズからしても、明らかに新聞は高齢者を読者対象として発行されているのですよね。情報量は少なくてもいいから、読みやすい新聞・・・ということですからね。

▼フィンランドのマツタケが輸入されそうだってハナシ聞いたことあります?フィンランド・センター(東京)が出している広報誌にそう書いてあった。現在、輸入元の選定作業を進めているのだとか。フィンランド大使館の商務部には日本の企業から問い合わせが殺到しているらしい。

▼ことしもお付き合いをいただき本当に有難うございました。よいお年をお迎えください。

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