musasabi journal
発行:春海二郎・美耶子
第148号 2008年10月26日

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UK Watch

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むささびの
鳴き声

美耶子の言い分

Green Alliance Club

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金融危機・金融危機と言っているうちに終わってしまったのが、2008年10月ですね。さすがにもう暑さはない。秋は秋で結構でありますね。木の葉が音を立てて落ちるのが聴こえます。

 目次

1)オオカミはイヌより賢い?


オオカミとイヌでは、どちらがより賢いと思います?「人間に飼育された動物は、ワイルドな動物よりも知能が発達しな い」ということが動物学者の間では言われてきたんだそうです。その理由は、人間と一緒に暮らすことによって、動物 が何もしなくてもご主人さまがやってくれるから、動物の知能が発達しない・・・と言われてきた。唯一の例外がイヌで、 祖先のオオカミより賢いとされてきた。それを裏付けたのが2004年に米国ハーバード大学のBrian Hareという教授が行 った実験だった。

Hare教授は、二つのコップを逆さまに置き、一つの下にだけ食べ物を隠しておいた。イヌとオオカミを連れてきて、食 べ物が隠された方のコップを指差すという動作を人間が繰り返した。実験に使われたオオカミは檻の中で飼育されたも のですが、イヌのように人間と一緒に暮らすことはなかった。

実験では、イヌはすぐに人間のジェスチャーを理解して、指さす方のコップを選ぶようになったけれど、オオカミのほ うはイヌに比べると人間のジェスチャーを理解することが少ないという結果であったそうです。で、Hare教授は「イヌ は人間の間で暮らしてきたから、人間のご主人の言うことやジェスチャーを理解できるまでに"進化"(evolve)したのだ」 と結論付けたわけです。

が、フロリダ大学のMonique Udell教授(女性)がこのほど行った実験では、Hare教授とは違う結論が出た。彼女が使った のは、人間と暮らしているイヌ、保育施設のようなところで飼われていて、それほど人間と近く暮らしているわけでは ないイヌ、それから人間に育てられたオオカミの3種類。Hare教授が4年前に行った実験と同じことをやった結果、人 間のジェスチャーを理解できたのは、オオカミの場合は8匹のうち6匹だったのに、ペット犬の場合は3匹だけ、保育 施設のイヌは殆ど理解せずという結果だったそうです。

Hare教授はイヌが"進化"したと結論したけれど、Udell教授に言わせると、それは進化というよりも「学習」(learning)し たに過ぎないということであって、ちゃんと育てればむしろオオカミの方が賢いのだそうであります。このことを報告 するThe Economistは、Wolves are, after all, cleverer than dogs(結局、イヌよりオオカミの方が賢い)と言ってお ります。

▼申し上げたかもしれないけれど、我が家にはかつて柴犬が5匹おりました。いまは1匹。なんと19才であります。 はっきり言って、どれもこれも「賢い」とは言えなかったな。おそらく上のような実験をされてもきょとんとしてWhat's going on?という顔をしていたことでしょう。ただ怒ると怖い顔になりましたね。眼が吊り上って、オオカミみたいな顔 をして、私に噛みついたこともある。まあ、あのときは犬小屋にいる中へ、私が手を突っ込んだということもあるんだ けど、イヌのぶんざいで「むささび」に噛みつくとはなにごとだ、と非常に不愉快でありました。

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2)英国の住宅ローンの件数が激減


英国の住宅ローン機関であるCouncil of Mortgage Lenders (CML)が最近発表した数字によると、今年8月に成立した住宅ローンの件数は4万2000件で、昨年8月に比べるとほぼ6割の減少だそうです。BBCのサイトが伝えているもので、半数以下に減ってしまったということですね。ローン総額は約60億ポンドで、これも昨年同期比で63%もダウンという数字です。

つまり住宅購入のためのお金を銀行から借りるのが難しくなっているということですよね。住宅価格が下がっており、それだけ資産としての価値も低くなっているので、銀行がローンを貸したがらない。

初めて家を買う人(first time buyers)がローンで借りるお金の平均は10万ポンド(日本円に換算すると大体1800万円)、頭金はその16%なのだそうですが、頭金の割合は1980年以来の最高なんだとか。つまり以前よりも高い頭金を用意しないとローンが借りられないということです。ちなみに10万ポンドは、初めて家を買う人の平均年収の3・18倍で、昨年8月の3・39倍よりも低いーーーつまり銀行が「無理なローン」を嫌がっているってことですね。

▼いろいろな金額をポンドで書いてもよく分からないけれど、最近ロンドンから帰ってきた人のハナシを聞くと、英国における1ポンドは生活感覚としては、日本でいう100円というところだそうです。ということは、家を初めて買う人(つまり買い替えではない)が初めてローンを組む場合の金額はおよそ1000万円であり、それが平均年収のおよそ3倍強ってことですね。

このように一般的な数字を並べてもぴんとこないなぁと思っていたら、同じBBCのサイトに、あるエンジニアのハナシが出ておりました。27才でパートナー(つまり奥さん)と一緒に住んでいるフラットは、最近100%ローン(頭金なし)で購入したものです。住んでいるのはDorsetのBournemouthというところです。このエンジニアの年収は2万7000ポンドだそうです。

このエンジニアが年収の3・5倍のローンを借りて、それだけで家を買ったとすると価格はおよそ9万5000ポンドとなる。BBCのサイトには彼らがどのような住宅をいくらで購入したのかが書かれていないので、Bournemouthの不動産広告をネットで調べてみました。写真の物件は、部屋がいくつもあるアパートです。現在売り出しているのは、2階部分のアパートで寝室は一つ、お値段は9万9500ポンド。ダイニング・キッチン、リビング、バス・トイレ(一緒)というわけで、写真に見る限りではかなり狭いように思える。でも、27才のサラリーマンならこれでいいか?

▼内部をご覧になりたい方は、ここをクリックしてください。9万9500ポンドを日本円にすると1800万円ということで、悪いけど田舎町のBournemouthにしてはメチャクチャ高いと思えてしまう。要するに円が弱くなったってことよね。

で、このエンジニアですが、BBCのサイトによるとガソリン料金や食費の値上がりなどで、結構苦しい生活だそうです。光熱費や電話代などのために1500ポンドを銀行口座に入れているのですが、毎月1150ポンドを引き落とされるので、残りは350ポンド。これを食費・その他に充てるのだそうです。で、その食費ですが、8月の重要食品のコストは1週間で、

牛乳
3ポンド
パン
1ポンド
バナナ
1・45ポンド
ヨーグルト6箱
3・24ポンド
チキンの胸肉 1kg
2・99ポンド
タマゴ12個
2・54ポンド

であったそうです。彼女との約束で、銀行口座には最低1000ポンドはセーフティ・ネットとして残しておこうとしているけれど、殆どできていないと言っています。彼らのフラットにはガス暖房がなく、昨年の冬は電熱暖房器具を使ったところ電気代が非常に高くて困った、というわけで、この冬は別の方法を考えなければと言っております。

 

 

 

3)レーガン時代が終わった理由:F・フクヤマ教授の主張


NEWSWEEK誌の10月13日号が最近の金融危機に関連して、米ジョン・ホプキンス大学のフランシス・フクヤマ教授の「The Fall of America, Inc(アメリカ株式会社の没落)」というエッセイを載せています。イントロは次のようになっています。

アメリカ国民は、米国経済を破滅から救うために、なぜ呆然とするような額のお金を払わなければならないのかと疑問に思っている。実は、眼には見えないが、アメリカにとってはるかに痛手となるかもしれないことがある。それは、この金融メルトダウンがアメリカの"ブランド"に与える打撃である。そのことは殆ど誰も語ろうとしない。Even as Americans ask why they're having to pay such mind-bending sums to prevent the economy from imploding, few are discussing a more intangible, yet potentially much greater cost to the United States--the damage that the financial meltdown is doing to America's "brand."

ここでいうアメリカの"ブランド"という言葉は、"ブランド商品"というときの「ブランド」と基本的には同じ意味です。「名声」とか「売りもの」という言葉に置き換えてもいいのかもしれない。要するにアメリカという国が「これがアメリカだ」と誇りにしてきたもの、ということで、今回の金融危機は、そういうアメリカ・ブランドに致命的なダメージを与えてしまっているのであり、金融ビジネスの崩壊よりもそちらのほうがより重大だというわけです。

このエッセイを通じてフクヤマ教授が主張しているのは、1980年代から約30年間にわたって「アメリカ・ブランド」を支え、世界を支配してきた二つの考え方が、いまや役に立たなくなりつつあるということです。一つはアメリカこそが自由・民主主義のプロモーターであるということであり、もう一つは「減税と規制緩和(つまり小さな政府)こそが経済成長を促進する」という考え方です。レーガンやサッチャーの考え方です。が、ウォール街のメルトダウンはレーガン時代の終わりを示した(Wall Street meltdown marks the end of the Reagan era)ということであります。

1930年代(大恐慌の時代)にF・ルーズベルト大統領によって提唱されたニューディール政策以来、世界中に大きな政府が拡大したけれど、70年代になって「福祉国家」がお役所仕事によって続かなくなった。その時代には小さな政府をうたうレーガノミクスもサッチャリズムも正しかった。しかし・・・

あらゆる変革運動と同じように、レーガン革命も方向性を失ってしまった。その理由は、その推進者たちにとってレーガン革命が、行き過ぎた福祉国家に対応する現実的な対応というよりも、神聖にして侵すべからざるイデオロギーになってしまったからである。Like all transformative movements, the Reagan revolution lost its way because for many followers it became an unimpeachable ideology, not a pragmatic response to the excesses of the welfare state.

NEWSWEEKの3ページびっしりという長いエッセイなので、とても要約など私にはできないのですが、この文章が教授のメッセージのように思えます。別のところでは「(レーガン革命は)最初は新鮮な考え方であったのに、年月が経つにつれて陳腐なドグマとして固まってしまった(as the years have passed, what were once fresh ideas have hardened into hoary dogmas)とも言っています。レーガンやサッチャーの革命は、「神聖にして侵すべからざるイデオロギー」になってしまったことが衰退の理由だというわけです。

フクヤマ教授は、アメリカの「ブランド」を復活させるためにやるべきをことをいろいろと挙げているのですが、その中に公共部門の再活性化があります。

アメリカの公共部門はお金もないし、プロフェショナルも不足していて、やる気もなくなっている。これを再建し、新しいプライド感覚を与える必要がある。この世には政府でなければできない仕事もあるのだ。The entire American public sector--underfunded, deprofessionalized and demoralized--needs to be rebuilt and be given a new sense of pride. There are certain jobs that only the government can fulfill.

▼エッセイはここをクリックすると出ています。

▼金融危機そのものとは、直接関係ない(と思うけれど)「公共部門にやる気とプライドを与えよう」という教授の指摘を紹介させてもらったのは、いまの日本における(特にメディアを中心にした)霞ヶ関叩きのことを想ってしまったからです。確かにどうしようもない人たちなのだろうけれど、アホ呼ばわりするだけで事が良くなるわけではない。官僚をこてんぱんにやっつけることで、視聴率を稼いだりしている(としか思えない)テレビ番組は、何かこの世の中にとっていいことしてくれるんでありましょうか?

▼減税と規制緩和が自動的に経済成長を生むという意味でのレーガン・サッチャー革命の時代は終わったかもしれないけれど、フクヤマ教授は、もちろん自由経済や市場主義よりも計画経済のほうがいいと言っているわけではありません。これらが「原理主義」になってしまった(現実的な政策というよりも)ところに問題があるのだと言っているわけです。

▼金融危機以来、日本のメディアの間では、「そら見たことか」というのでいわゆる「小泉改革」を否定するような意見が見られます。私自身、小泉改革ファンでもなんでもないけれど、その種の意見にはなんだか時流に乗るようなところがあってイヤですね。

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4)金融危機とアメリカ人


アメリカ発の金融危機で世界中がパニック状態ですが、当のアメリカ人は必ずしもパニックというわけではない(there is little indication that the nation's financial crisis has triggered public panic or despair)ということが、最近(10月15日)のPew Researchの世論調査で明らかになっています。約1500人の成人を対象にした調査で、例えば次のような結果が出ています。

質問@:アメリカ経済の現状は?
 
今年7月
今年10月
不況だ(In a recession)
54%
54%
恐慌状態だ(In a depression)
18%
22%
少しだけ問題があるようだ(a few problems)
14%
11%
 
質問A:1年後のアメリカ経済は?
良くなっている(better)
30%
46%
悪くなっている(worse)
21%
16%
同じ(same)
41%
30%
分からない(don't know)
8%
8%
 
質問B:個人的な経済状態は?
非常に良い・良い(excellent/good)
42%
41%
まあまあ・悪い(only fair/poor)
56%
58%
 
質問C:来年の個人的な経済状態は?
良くなっている(improve)
51%
59%
悪くなっている(get worse)
28%
26%
変わらない(stay the same)
14%
9%


面白いのは、AとCですね。将来について結構楽観的なのであります。しかも7月よりも現在の方が楽観論が増えているというのは意外な気がしません?リーマンの破綻だのなんだのと、いわゆる「金融危機」が表面化した後も楽観的ということです。

アメリカ人の楽観論がもっとはっきりするのは、4年前と現在の比較であります。

Q:あなたの見方に近いものはどれですか?

2004年12月
2008年10月
Dアメリカ人は常に問題解決の道を見つけることができる
59%
64%
Eアメリカは多くの大切な問題を解決することができない
36%
29%
Fアメリカの成長に限界はなく望むものは何でも手に入れることができる
51%
41%
Gアメリカ人は節約生活に慣れるべきだ
41%
49%


DとEに見る限りにおいては如何にアメリカ人がアメリカという国を信頼しているかが分かる。その一方で、FとGと 見ると、アメリカの経済成長については、さすがに4年前よりは楽観論が減っており、「もっと質素に暮らそう」とい う考え方が出てきている。が、それでも今現在(2008年10月)でさえも、41%もの人がアメリカは永遠に成長し続けると 考えているというのはすごいですね。

最後に政府とビジネスの関係について、どのように考えているかというと:

Q:あなたの見方に近いものはどれですか?

2004年12月
2008年10月
H公共の利益を保護するためには政府がビジネスを規制する必要がある
49%
50%
I政府による規制は益より害が多い
41%
38%
J政府はほぼ常に非効率的でムダをしている
47%
57%
K政府は、言われているよりいい仕事をすることが多い
45%
35%

メディアの間では、今回の金融危機を契機に、政府によるビジネスの規制強化を求める声が大きいと思っていたけれど 、HとIに見る限りは4年前と大して変わらない。それどころか、Jに見るように「政府はムダが多い」という人が4 年前よりかなり増えているし、「政府もいいことするよ」という人はかなり減っている。

基本的に楽観主義のアメリカ人ですが、産業界に対しては厳しい意見が多く、8割の人が「余りにも多くの権力が少数の大企業に集まりすぎている」と考えている。金融危機の原因については、ほぼ8割がアメリカ人が借金をしすぎたことと、銀行によるリスキーなローンを挙げています。しかし政府による規制が弱すぎるからだという人は46%しかいない。

▼つまり、一部大企業や大金持ちのビジネスマンへの反感はあるけれど、政府による介入などは期待していないし、いいことだとも思っていない。政府による金融機関の救済案が最初は下院で否決されたのも、そういう国民感情の表れなのでしょうね。

▼大統領選挙の関連でいうと、金融危機への対応能力の点でオバマを支持する人が47%で、33%のマケインをリードしているけれど「どっちもダメだろう・どっちがやっても同じ」という人が20%もいる。いまも将来も政府には期待していないってことですね。

▼というわけで、ヨーロッパや日本のメディアがぎゃんぎゃん言うほど、アメリカ人は危機感を持っていないというこ とでありますね。日本であれ、ヨーロッパであれ、メディアのアメリカからの報告は、ワシントンやニューヨークからのものが多い。それ以外のアメリカがどうなっているのか、実はよく分からないってことですね。

▼ほかにもいろいろと面白いポイントがあるのですが、Pew Researchの調査はここをクリックすると読むことができます。

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5)むささびJの、どうでも英和辞典

A〜Zの総合索引はこちら

dialect:方言

北イングランドにHullという町(人口・約25万)があるのですが、そこにあるホテル(Holiday Inn Express)が宿泊者サービスのつもりで、この地方独特の方言集を作成した。例えばto look(見る)はHull語でskeg、携帯電話(mobile phone)はmyrrh-bile、泣く(crying)はballun等々・・・。ところが、この印刷物を見て「Hullをバカにしている」と地元の人たちからの抗議が来ているのだそうです。作ったホテルのマネジャ−は「地元の言葉を紹介したからってバカにしたことにはならないでしょう。お客様には好評です」と言っているのですが・・・。

先日、新聞を読んでいたら「け」と言われて「く」と答えるのが日本一短い会話として紹介されていました。山形弁で「け」は「食え」で、「く」は「食う」なんだそうですね。 日本の方言を集めたサイト(たくさんある)を見ていたら、朝、寝ている子供を起こすのに「7時だよ、早く起きなさい」と言われた子供の答えが「すごく眠い、起きられないよー」。で、この答えの部分を鹿児島弁で言うと:

「わっぜえ、ねび。おきがならん」(薩隅エリア)
「わざいか ねむかいちゃあ、おきーならんよー」(種子島)
「がんま ねむさー、起きれんがよー」(徳之島)

となるのだそうです。つまり「すごく」というのが「わっぜえ」「わざいか」「がんま」ということになるってことですな。いまどきの中高生の「標準語」でいうと「マジ、眠いっすよ」だろな。



elephant

象の心臓は、人間の心臓に比べると大きさが5倍、重さは50倍なんだそうですね。BBCのサイトに出ておりました。どうでもいいことかもしれないけれど・・・。それから英語のイディオムに「象のような記憶力(memory like an elephant)」というのがあるんだそうです。ある新聞記事によると、象が実際に素晴らしい記憶力を持っているのかどうかを証明するようなものはないけれど、水のある場所のような生存にかかわる記憶力は確かにすごいらしい。特に群れのリーダーであるメスの象がすごいんだそうです。

昔、英国の劇作家でNoel Cowardという人が「私は象のような記憶力を持っておる。象が私に尋ねるくらいだ(I have a memory like an elephant. In fact, elephants often consult me)」と語ったそうです。

ただアメリカ西部に生息するホシガラスという鳥の記憶力はただものではない。秋になると松ボックリを拾っていろいろな場所に隠すのですが、その数、一羽あたり最高で10万個にのぼる。が、一つ一つをどこに隠したのか憶えていて冬に食べるという習性があるのだそうであります。

私の妻の記憶力はおそらくホシガラスでしょう。10年前に誰とどこで会ったなどということまで記憶しています。殆ど異常ですね。アタイなんか、きのう会った人のことだってあぶないもんな。むささびの記憶力はゼロかもしれない・・・。それが故に、子供のころは勉強ができなくて情けない思いをしたこともあるけれど、人生においては、記憶力が弱い方が得ってこともある、悪いことも忘れてしまう・・・ということが今頃になって分かってきました。

6)むささびの鳴き声


▼読売新聞の夕刊を読んでいたら社会部記者が「使える英語」というミニ・エッセイを書いていました。自分は中学・高校の英語教師としての資格があり、英検準一級もある、なのに金融危機などに絡んで外国人とインタビューをしても、まともな質問もできない、もう少し使える英語ができたらなぁ・・・という歎きのエッセイでありました。英検主宰社のサイトによると、この制度は「1963年に創設されて以来、延べ7400万人が受験し、現在は年間約250万人が受験している国内最大規模の英語検定試験」となっています。

▼1963年設立ということは、いまから45年前、私が22才のときに出来たのですね。「延べ7400万人が受験」というのもタイヘンな数です。この記者の場合「準一級」なのだから、「社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる」ことになっています。にもかかわらず、「旅行程度の英語しか使えない」と嘆いている。「準一級」程度では「金融危機」のような事柄についてはさしたる話もできないということですね。考えてみると「金融危機」なんて、日本語でだってまともに話せるような話題ではないのだから嘆くには当たらないと思う。

▼それにしても、「使える英語」って何ですかね。外国語だろうが母国語だろうが、言葉を「使える」ようになるためには、使い続けるしかないのですよね。たくさん読んで、たくさんしゃべって、たくさん聞いて、たくさん書いて・・・これっきゃないんじゃない?

▼全然関係ありませんが、ギネス・ブックの記録にもいろいろあるんですね。Tiana Waltonという英国の9才の女の子(右の写真)が達成した偉業はというと、一度に何匹のカタツムリを自分の顔の上に乗せられるかというもので、何と25匹を乗せることに成功したのだそうです。ちなみにそれまでの記録はオーストラリア人が作った15匹だったそうです。

▼「乗せている間ちょっと冷たかったけれど、カタツムリの長〜い目をじっくり見ることができたわ」とコメントしています。「将来この記録が破られるかもしれないと思うか?」という問いには「カタツムリを顔に乗せたいなんて思う人は、そんなにいないわよ(I don't think many people will be bothered about putting snails on their face)」と言っているそうです。9才のコメントにしては冷めてる。

▼これまた関係ないけれど、麻生首相が殆ど毎晩のように有名ホテルや高級レストランで会合を行っているということで、記者団がそれについて質問したところ、「ホテルは安い」とか「自分のお金だ」とか言って反論して揉めてしまったという記事が新聞に出ていたの見ました?私、日本記者クラブのようなところでお世話になっているので、新聞は毎日全部(6紙)読めるのでありますが、正直言ってよく分からなかったのは、何故こんなことがそれほど重要なニュース扱いされるのかということだった。毎日新聞などは縦横25センチという大スペースで記者との一問一答まで掲載しておりました。

▼自国の首相が毎晩のように飲めや歌えで、芸者でもあげて、裸踊りのどんちゃん騒ぎでもやっているというのなら、「どうなってんの?」と疑いたくもなるけれど、麻生さんが何故か帝国ホテルが好きで、毎晩そこで自分のお金で10万円のオムライスを食べたからって、そんなに大騒ぎするようなことなのですか?「国民は苦しい生活をしているのに・・・」という批判のつもり、ですか?麻生さんに求められているのは、自分が好きな贅沢を我慢することではなくて、日本人(国民という言葉はイヤなので)の生活を少しでも良くするってことですからね。毎晩、自宅で質素にお茶漬けだけ食べたって、まともな政治ができなければしゃあないんだし・・・。

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